I wish to be your only one … L.O.V.E ４th

Precious Lover … １５３ ページ9

宏光に抱きついたまま、エグエグのニカ…
一人っ子の宏光には、ニカ千は同級生て言うより兄弟みたいな関係だった

ニカ千にとってもそれは同じ…友情を超えた深い想いがいつもあったんだと思う

突然のハグを振りほどくこともせず、ニカを受け止めた宏光は、ポン…とその背中を叩き
「ありがと…ニカ…」と返事をした

瞬間、オレの中に衝撃が走る

「宏光、ニカが分かるのか！？」
驚きと共にそう尋ねると、宏光は《え？》と言う顔をしてオレを見た

「…そうじゃないけど…さっきニカって言ってたから…」
健永を見ながら気まずそうにそう答える

「あ…そか……だよな…」
変わらない《今》に気落ちする自分に、言い聞かせるようにそう呟いた

「キタミツ、オレは渉、横尾渉だ」
「千賀健永だよ、んで抱きついてんのは二階堂高嗣、…ちょっとニカ！いい加減にミツから離れろって！」
「ヒロ、オレ裕太だよ、玉森裕太、従兄弟だよ！んでコイツが…」
「宮田俊哉です、キタミツ、手術無事終わって良かったね！」

ベッドの両脇に立って自己紹介が始まる

宏光は、全員の顔を交互に見ながら何かを探すような表情を浮かべた

「ゴメン…オレ…」
「ひろ、それ以上言わなくていい、大丈夫！」

助け舟を出すと、それを受ける様に全員が大きく頷いた

「オレら結構インパクトあるから、すぐ覚えるよ、今日からまたヨロシク！」って渉がひろの手を握ると、他のヤツらも同じようにしてきた

「ありがと…」と小さく声がして、ハニカミ笑顔を見せてくれるひろ…どうやらそこまでの心配は無用のようだった

「座れよ、そこ狭いし」ってソファセットに皆を促した、ニカも宏光から離れて、健永に渡されたハンカチで鼻かんでそのまま返そうとしてアタマぶっ叩かれる…笑

「お茶でもするか！」

渉が手提げ袋から何やら取りだし、机の上に並べた

「うわ！《FUJI☆KITAケーキ》じゃん！」
「おお、今回は７色あるぅ！」
「ふふーん、折角なんでバージョンアップだ！どうだ参ったか！これキタミツも食えるよな！」

渉が赤い砂糖衣の着いたカップケーキを紙皿に乗せて宏光に渡すと、目を輝かせて受け取った

「可愛いケーキ、美味そう…」
「ハイそれ禁句ー、美味そう、では無く…」

「「「「「美味いんです！！」」」」」

健永の音頭でいつもの掛け合いが始まる

キョトンの宏光に、裕太が「オレらの定番だよ！」とウインクして見せると、フワリと笑った


「そか、みんな太輔と同じ、オレの友達なんだな」

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