I wish to be your only one … L.O.V.E ４th

Precious Lover … １９１ ページ47

「おはよ、太輔」

起き抜けのボンヤリ頭を持て余しながら、リビングのドアを開けた途端、目に飛び込んだのは赤のギンガムチェックのエプロン付けた宏光だった

「え…っ、ひろどしたの？」
「ん？なに、そんな驚く？」

そして鼻を擽るコーヒーのいい香りと合わせて、キュンとする笑顔がオレに向けられた

「なんか早く目が覚めちゃってさ…、ずっと病院でオマエに世話になってたから、朝ごはんくらいはお返ししないと…、なぁコーヒー飲むよなー？」
って、迷うことなく背面の扉を開けて、マグカップを取り出した

「うわ、なんかオソロ多いな…これでいっか」って言いながら、イロチのマグを出してきた

サーバーのコーヒーを注ぎ、その香りを確かめる様にちょっと鼻を近づける

「おし、いい香り！」
立ち上る湯気にホワッと微笑みながら、その一つを渡してくれる


その一連の動作に、オレの目は釘付けになる

何もかもが、同じだったから…
ギンガムチェックのエプロン…、好みのコーヒーの香り…日差しの入った明るいリビング…

そして何より、オレを見つめる宏光の笑顔……

「どした？飲めよ」
「あ…うん…サンキュ…」

ドキマギしてしまって、マグを受け取る手がぎこちないのを自覚した

「さて、何作ろっかなぁ、…太輔何食べたい？」
「…なんでもいいけど」
「お前さ、その返事一番困る！なんか言えよ、タマゴがイイとか、肉系がイイとか！」
「う、うん…でも冷蔵庫多分何もないよ、渉の作り置きも全部完食したし」

そう言うと、ひろの顔が「あ…」ってなる
オレも一人の時はほぼ外食か渉の宅配、コンビニだったもんな…

「えーマジか、どうしよ…」
なんかひろ、( ´•ω•` )な顔になってるんだけど…

「とりあえずパントリーの買い置きでなんか作ろっか、パンは渉が店のを冷凍庫に入れてくれてるよ、オレも手伝う、一緒に作ろ」
って言うと、コクコク頷いてくれた

「何があったっけ…」
キッチンの奥に作りつけた一畳位のパントリー

お互い忙しくなって買い物に行けない時に備えて、ちょこちょこ買い置きしてる食材か置いてある、ついでに小型のワインセラーも！、ココにはサラが時々送ってくれるワインが何本か入ってる

「コンビーフとマッシュルーム炒めよっか、あ、ドライトマトもあるな、乾燥バジル、これでいいかな…、あとは…」

棚を見渡しながら、アレコレ手に取っていくひろ、丸っこい鼻先と少しカールしてる睫毛、

可愛い横顔に、心拍が上がった

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