I wish to be your only one … L.O.V.E ４th

Precious Lover … １５５ ページ11

「時期が来たら、ちゃんと話す、でも今はオレはあくまでも宏光の親友として傍にいるつもりだから、協力して欲しい」

「太輔、お前ホントにそれでいいのか？後悔しないのか？時期が来ればってお前言うけど、ずっとこの状態が続く可能性だってあるんだぞ！分かってんのか？」

「例え後悔することがあっても、全部受け止める…今は宏光が安心して毎日過ごしてくれたら、それだけでいい」

思い出の中で生きてる二人は、無くならない

今は多くは望まないと、決めたんだ…
オレの胸にある二つの家族の絆をギュッと握って、オレは自分の決意を再確認した

「太輔さ、もう一度恋を始めよう…って、ヒロに言ったんでしょ、ヒロ…ホントに幸せそうな顔してそう言ってた…でもそれと同じくらい太輔の傍にいていいのか悩んでた…、手術の後、自分は目が覚めない方がいいんじゃないかって…太輔との想い出がZEROになった自分が傍にいても、結局太輔悲しませるだけなんじゃないかって…」

「うん…そうだったな…、でもひろは目を覚ましてくれた、難しい長い手術に耐えてオレんとこ戻ってきてくれた、再発の可能性をゼロにしてくれた新海先生にも本当に感謝してる…」

「ヒロは無意識に待ってると思う…、もう一度太輔と恋を始めること、リングのデザインがその気持ちの現れだよね」

「リング…？」て、ニカ千が聞いてきた

「うん、家族になって10年目の記念に、一緒に新しいマリッジリング作ろうって話してたんだ、オレがアメリカに行ってる間に色々考えてたみたいで…、そのスケッチブック…裕太が見つけてくれた」

スケッチブックには、幾つものデザインがしたためてあった、どれもが宏光らしい優しいフォルムと、オレ達の未来への想いが感じられた

宏光は、どんな気持ちであのデザインを考えていたんだろう…

「嵌めてあげて…、ヒロと、ちゃんともう一度恋を始めて…左手の薬指に…、どんなに時間がかかってもいいから、太輔…ｯ…ヒロをまた幸せにしてあげて欲しい…」

きっと、オレよりも近い位置で宏光の病状を見てきた裕太…時には医師として、厳しい状態にある宏光を一生懸命支えて来てくれた、だからこそ感極まったのか、裕太がポロポロ涙流してその場にしゃがみ込んだ、そんな裕太の隣には同じ目線に体を下げて、震える肩を抱いてる宮田がいる


「必ずまた、オレと宏光は家族なるよ…、前よりももっと強くて太い絆…ちゃんと結ぶから、オレ達のコト見守ってて欲しい」

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