LOVE CASTE … 恋哀階級 vol.３

CASTE … １０３ ページ8

｢も、オマエ信じらんねぇっ！ああいうコト横尾さんの前で言うか！？｣
｢え、そう？渉だしイイじゃん！｣
｢良くねえよっ！｣
｢でも、実際こうやって一緒に風呂入ってるよ♥｣

ｶｧ/////…ハイ…そうです…

帰るなり太輔のヤツ、サッサとバスタブにお湯張って｢入ろっ！｣って連れてかれて、ソッコー裸に剥かれた…

抵抗しても、キュルキュルした目で《えー一緒に入ろうよォ》って言ってくるから断れなくて…

そして、今アタマ洗ってもらってます

やっぱ風呂場狭いから、太輔がバスタブ入ってオレが洗い場で…アタマ太輔に向けてワシャガシャ泡立ててもらってマース…

買ったばっかの三点セットは、今までとは違う香り…クン…て嗅ぐとなんて言うか、《初めて》を伝えてくる香りだった

｢いい匂いだな…コレ｣
｢でしょ？買い替えて良かったよね｣
｢うん…｣

前使ってたのは、トモが自宅で使ってるのと同じブランドだった…

《自宅に帰る前にドコに行ってたとか、イチイチ桜来に詮索されんのめんどくさいからな…》

いつもと同じ香りを纏っていれば、桜来さんは気付かない…トモの行動にオレは何も言えなかった…

トモがホントに愛してるのはオレ、あの人じゃない…だからコレは正当な行為だ…って、なんの意味もない言い訳を理由に、オレはトモと同じその香りをカラダに纏い続けた

でも、もうそれはしない…

トモには家族が出来る、望む望まないに関わらず宿った《命》は、トモの血を引くかけがえのない存在だ

オレなんかが汚していいワケがない…

｢ひろ、シャワー流すよ｣
｢あ、うん…｣

返事するなりアタマから湯が流れてくる
触れてくる手は限りなく優しい…

｢ハイおしまい！じゃ次オレ！ね、洗いっこしよっ！変わって変わって！｣
って親指クイクイしながら言ってくるんだけど…

なんか太輔、めっちゃウキウキしてんな
無邪気だなぁ…ってつい笑ってしまう

｢いいよ｣って立ち上がり、髪の毛後ろに撫でつけた、続いて太輔もザバァっとバスタブから出てくる

細いけど、ムダなくキレイに筋肉のついたカラダに思わず目を惹かれてしまう、抱き合うときは電器消してるから、明るい場所で太輔のカラダを見たのは初めてだった

オレの視線に気づいたのか、太輔が不思議そうな顔してオレを見てきた、

｢…なに？どした？｣

うわぁ、当たり前だけどコイツ、オトコだった
しかも上級クラスのオス…

｢あ、いやなんでも…｣


目を逸らすオレの顎に、太輔の手が伸びた

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