CASTE … １２５ ページ31
けどさすがにシングルベッドに二人はキツい、ゆっくり寝かせてあげたくて、宏光が眠ったのを見届けて、オレは部屋を出た
リビングに戻ると、ソファの上に置いてある宏光のバッグが目に付いた
｢先の見通しが付いたんだよな｣
笑ってそう言っていた宏光とトモが言っていた内容が被る…
悪いとは思ったけど、オレは宏光のバッグを開け中に入っていたファイルを手に取った
ページを捲ると《免疫抑制剤》の文字が目に入る
｢そか、JーSTAR…も完成させたのか…｣
読み進むうちに、宏光の笑顔と落ち着いた表情の理由が分かってくる
けど…この新薬は…
そのままページを閉じ、バッグに戻した
ふと見た窓…少しだけ空いていたカーテンから、夜空が目に入る
カラリ…と窓を開けベランダに出ると、夜風が頬を撫でていく、目の前の月…乳白色の淡い光を放っていた
月を見ると思い出す…
母親と二人で暮らしていた頃…もう２０年以上前の記憶…住んでいたのもどこか分からない…覚えてるのは、海が近くにあったことだけ…
時々母親と夜の散歩で海を見に行った
クラゲみたいにユラユラしてる月の影が、水面に浮かんでいた
《太輔、いつも寂しい思いさせてゴメンね》
《ボク寂しくなんかないよ、だってお母さんと一緒だもん》
《そうね…ずっと一緒だもんね…》
《うん、約束ね！》
このまま、ずっと一緒…
けど、その約束はいとも簡単に破られる…
突然現れた《父親》だと名乗る男にオレは車に乗せられた
《お母さんは？》
《後から行くからね、太輔…お父さんと先に行って待ってて…》
涙を浮かべた目で母さんはオレを見つめ、窓から伸ばした手を一度だけぎゅっと強く握り、手を離した
《…お母さん？》
《車を出せ》
それは、本当に笑ってしまうほどにあっけない別離だった…
大きな邸宅に設えられたオレの部屋は、まるで美しい牢獄の様に無機質で冷たい空気が漂っていた
窓から見える月を眺めては、母親を思い出し何度も泣いた…
《後から行くから…》
その言葉が、たった一つの心の拠り所だった…
だけど…
《アナタはね、あの女に売られたのよ、あなたをこの家に渡すことで、あの女は何不自由無い生活の保証を主人から取り付けた…、あなたはあの卑しい女が産んだ、穢らわしい存在なのよ》
愛人の子を引き取ることになった義理の母親から聞かされたのは、耳を塞ぎたくなるほどの母親への憎悪とオレに対する嫌悪の言葉…
オレが生きてく世界は、服従しか生きる道が無かった
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GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんにちは！コメありがとうございます！あは、かつて無いほど拗れてますーｗｗどやって収めようかと悩んでおりますが、お約束のハピエは裏切らないので、宜しければ長ーい目で見ていただければと思います、移行となりますので、お許し下さいませ！コメ大感謝です！ (2017年10月26日 17時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
pochi(プロフ) - ﾔﾀﾞ((o(；□；`)o))ﾔﾀﾞ!!手駒なんかじゃないから…ちゃんと愛があるはずだから!!今度の泥沼から この2人はどう這い上がってくるのでしょうか(´；ω；`) ｺｿｯと梶山くん(*´艸`)さすがです! (2017年10月26日 12時) (レス) id: 0d96846f1a (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 苦手なリアルネタをUPしております！宜しければコチラも覗いてみて下さいませ！ラブコメの予定です！コメ大感謝です！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんにちは！コメありがとうございます！バレちゃいましたｗ狙ったタイミングかどうなのか、書いてる本人が迷走しております、この先はですね…ちゃんとハピエになりますよぉ！ワンコ太輔、今何をしてますかね…宜しければ続き覗いてみて頂ければと思います！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - minamizさん» 気楽に読んでいただけると思います、お口直しに宜しければｗｗコメ大感謝です！ (2017年10月22日 15時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年9月10日 22時
