LOVE CASTE … 恋哀階級 vol.２

CASTE … ９４ ページ48

｢た、太輔おま金持ってんの？オレも出すわ｣

カゴいっぱいに商品を入れレジに向かう太輔を、オレは呼び止めた、そんな大人買いして大丈夫かよ？

｢ん？いいよ、オレからの《初でぇと》記念のプレゼント、一緒に使うし全然大丈夫！ちょっと待ってて｣

そのままレジに行ってしまった、結構並んでるなぁ

一人で何となく別のディスプレイ見てると、何人かの女の子の視線を感じた

｢…あの2人、超カッコイイ｣
｢うん可愛い系とセクシー系だよね…ヤバい、めちゃどストライク！｣
｢えーｗ｣

あのーヒソヒソ声って結構聞こえるもんなんです

聞こえなかったフリして、見るもなくレジに目を向けると太輔の番になっていた

支払いの際に太輔が財布から出したカードに、オレの目が釘付けになった

え…？まさかアレ…ブラックカードだよな…？
太輔が差し出したカードは、ホントに極一部の選ばれた人しか持てないカードだ

なんでそんなの、アイツが持ってんだ…
あの日、アイツ１０円が無くてコンビニでオタオタしてたクセに…

ガン見してたオレに太輔が気づいたみたいで、可愛いピンクのショッパーを二つ下げてコッチに戻ってきた

｢お待たせ、レジ混んでてゴメンね｣
｢…いいけど、…結構ソレ高かったんじゃねえの…｣
｢ん？まあ…でも構わないよ、フフ今日から使うの楽しみだなー｣

ウキウキって言葉しか見つからないくらい、太輔は嬉しそうな顔を見せた、けどオレは、そんな太輔がよく分からなくなっていた…

コイツ…いったい何者なんだ？


｢ヒロ、なに？なんかオレの顔に付いてる？｣
｢太輔…あのさ…｣


｢あのぉ、今お時間ありますか？少しお話聞かせていただけませんか？｣

話の腰を折ったのは、さっきとは別のグループ

｢…何です？｣

あからさま太輔の顔が真顔と言うより不機嫌全面出しに変わる
｢いえ、お二人とてもステキな方なので…、私達今この街の取材してるんです、良かったら雑誌に載せるスナップ写真撮らせてもらっていいですか？｣

名刺を出してくる二人組
ホントにタウン誌の編集者さんらしかった

困って太輔の顔を見ると、少しイラついてる表情を見せ｢結構です！ヒロ行こ｣って、オレの手を掴んで店から連れ出した

｢え、あの…｣
｢お断りします、じゃ…｣

どうしたんだろ…いつもの太輔じゃないみたいだ…

行く宛も無く、そのまま二人で歩いてる
そのうち太輔の歩幅が狭くなり、歩みが遅くなり…立ち止った

｢太輔…？｣
｢ゴメン…変なトコ見せた…｣

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