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オレらのあんちゃん …6 ページ7

「ミツの舞台、スゴく良かったね!ガヤさん」
「うん、そだな…」

混乱を避けるためか、オレと健永は入りは照明が落ちてから、退席はカーテンコールの途中となった

上演時間は2時間

目の前の舞台のには、オレらの知ってる《北山宏光》はどこにもいなかった

母親と兄弟を、その腕で守る事で幼い頃から自分の存在理由を確かめていた《凌》
家族を放り出し、行方不明のまま唐突に戻ってきた父親を許せないのに、心のどこかでいつか戻ることを願っていた自分を認めることに、《凌》は全身で葛藤していた

《凌》から迸るセリフ一つ一つが、見ている観客の心深くに突き刺さる…

それは演技ではなく、《凌》そのものが息をして、目の前の父親との関係に悩み苦しんでいた

視線一つ、見せる背中一つに、父を慕う胸を裂かれるほどの切なさが現れていた

オレも健永も、引き摺り込まれるように舞台に意識を持ってかれた


きっと北山がグループに反映してくれる大きな成功体験を、オレも健永も喜ばずにはいられなかった

「ガヤさん、ミツの楽屋寄ってかないの?」

カテコ途中の退席…そのまま正面玄関に向かおうとしたオレを健永が引き止めてきた

「やめとくわ」
「何で?、ガヤさん来たらミツ喜ぶのに…」
「そう言うの、北山は求めてないから」

そう…アイツを求めてるのはオレだ…
限りなく一方通行に近いオレの想いは、一滴も外に漏らすことは出来ない


時間を置かなくちゃいけない
今会えば、オレは《凌》と《北山宏光》を混在させてしまう…



「コンサートで会うよ、それでいい」



そのままオレは、劇場を後にした

オレらのあんちゃん …7→←オレらのあんちゃん …5



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GAYASAKURA(プロフ) - yuriさん» どうぞご自由にして頂いて…あれ?脱線していますねwここからは《LOVE CASTE》に専念します、多きゅんを目指してポチリたいと思いますwまた続きを覗いて見てくだされば嬉しいです!コメ大感謝です! (2017年8月20日 21時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - yuriさん» こんばんは!コメありがとうございます!おお、地方組様なんですね、ツラいですよねー、番協とかお知らせ来ても指咥えて見てるだけですwでも、その分会えた時の感激はひとしおなので、それを糧に毎日頑張っております!ウチの《藤北》ちゃんで宜しければ (2017年8月20日 21時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - kkeeさん» のきゅん多めで仕上げたいと思っていますが、ちょこっとbitterも入るかもwww宜しければ続きを覗いて見てくださればと思います!コメ大感謝でーす! (2017年8月20日 21時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - kkeeさん» こんばんは!一番コメありがとうございます!はい、終始《こうだったらいいのにな》で纏めましたwwでも、リアルは難しいのを痛感しています、ちょこっとでも楽しんで下さってれば何より良き良きです!しばらくは《LOVE CASTE》に専念します!糖度高めを (2017年8月20日 21時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - GAYASAKURAさん、完結おめでとうございます。いつも楽しく作品読ませていただいています。私も地方組なのであんちゃん情報はふぃふぃたーのみなので、こうだったらいいのになーと、作品を読みながら思いました。LOVECASTEも楽しみにしています! (2017年8月20日 20時) (レス) id: c775aeb07a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年8月4日 23時

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