あんちゃんが泣いた夜

オレらのあんちゃん …１５ ページ16

仕事終わってウチに戻ったとき、ケータイが鳴った

着信…ミツだ！ミツミツ！

今日ＴＥＬが来たことがめっちゃ嬉しくて、オレはソッコーで画面をタップした


｢もしもし！？｣
｢あ、ニカ？｣
｢うん、ミツどしたの？｣

あくまでも！あくまでもフツーに対応しなきゃ
！この時点で喜んじゃダメだぞ、オレ！

緩みそうになる頬をキュって引き締めてオレはケータイを持ち直した

｢お前今ドコよ？今日の予定、もうアップしたのか？｣
｢おん、したよ！今帰ったトコ、ミツは？舞台終わったの？｣
｢おお、コッチもさっき済んだ、楽屋なう｣
｢ふーん、お疲れ…で、なに？なんか用？｣

早くその言葉が聞きたいのに、素っ気なく言っちゃうオレって素直じゃないよね、でもオレとミツだからソレはいいのだ！

｢うん、お前今日誕生日じゃん、おめでとうってゆってやろうと思ってさ｣

ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━!!
ｷﾀ━━ヽ(´ω`)ﾉﾞ━━!!

ﾔｯﾀｧ━━━v(*´＞ω＜`*)v━━━ｯ!!

実は…家族以外から《ハピおめ》まだ誰も来てなくて、ちょい凹みモードだった

メンバー…誰からも来ないのかなぁてウルウルしてたからめっちゃ嬉しかった

けど、まんまソレ言うの照れくさい

｢あーそか…今日オレ誕生日だったっけ！？｣
｢へ？マジ忘れてたのかよ、なんだ、もちっと喜ぶかと思ってたのにつまんねー｣
｢やー流石にもう誕生日とか喜ぶかと年じゃねぇし、リアル忘れてたわ、思い出させてくれてサンキューじゃん！ミツ！｣

心はウキウキ！でも口調はあくまで冷静に大人っぽくしないとね！ムフフ( ´艸｀)

｢…あ、そ！…そりゃ良かったな、…ニカ…｣

ふとミツの口調が変わった…
イタズラっぽい声が、少しトーンダウンする
ミツがこんな風な声を出すのはあまり無い

それは家族よりも長い時間を過ごしてるメンバーだからわかるコトだった

｢うん、どしたの？ミツ…｣

そう尋ねると、ミツは少し黙った後小さく息を吐いて言葉を続けた…

｢家族…大事にしてあげろよ、オレがお前に言うのは《おめでとう》だけど、お前はさ、ご両親にちゃんと《ありがとう》て言うんだぞ｣
｢ミツ…？｣
｢オマエがどんな状況の時でも、ご両親はいつもお前のこと黙って見守ってくれた…そのでっかい愛情にちゃんと《ありがとう》て伝えろよな…｣


どんな状況の時でも…

先の見えないあの頃…この７人のグループにオレが必要とされているのかもわからない日々があった

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