LOVE CASTE … 恋哀階級

CASTE … ２４ ページ26

ホテルはオレの仕事場から電車で二駅の位置にあった、自宅よりかなり近い

スーツがシワにならないように気にしてくれたのか、トモがキレイに畳んで置いててくれたから助かった

スーツに着替え、フロントに行くと《お支払いはお済みです》と言われて、ココでもトモの気遣いが現れていた

外に出ると、天気は快晴だ
どこまでも明るい空が広がっていた

けど、オレの胸の中は曇り空…

このままで、いいわけない…
オレ達がしてる事は、桜来さんにとっては裏切り行為そのものだから…

《愛してる…》
トモの気持ちにウソがないことは分かってるけど、だからこそ余計それがオレを苦しませた

この契約が済んだら…
タイミングはそこしかない…

カラダにも心にも重苦しさを抱えたまま、オレは地下鉄に乗り、会社に向かった



｢はよっす！｣

｢おはようございます！｣
｢北山主任、おはようございます！｣
営業部への出社も大分慣れた、古巣だけどココを離れて2年が経つ

オレがいた頃のメンバーは、他部署に移動したり転勤で地方に行ったヤツもいた

て言うか…タマまだ来てねぇのかよ？よもや遅刻か？あんのヤロぉ！！

ノーパソ立ち上げてメールチェックしてると

｢主任、お久でーす！｣
｢北山さん、おはようございまーす！｣
と妙に素っ頓狂な明るい声が聞こえてきた

｢おお、二階堂と千賀じゃん、どした？今日は本社でなんかあんのか？｣

｢はい、研修で今日から３日間います！｣
｢なんか食べに連れてってください！財布忘れました！｣
｢お前さぁ、そのネタマジで聞き飽きたから｣

二階堂高嗣と千賀健永は、タマと同期だ
ウチは新人は最初は全員営業部所属が原則
だからこの2人も入社当時は、オレが面倒見てたメンバー

２年間の営業研修の後、二階堂は総務課、千賀は商品開発に配属された

そんで去年、二階堂は広島に、千賀は名古屋に転勤となった

千賀はこう見えて美容系の商品開発が得意！ウチは女性用の基礎化粧品も開発してて、今千賀はその研究所にいた

好きな言葉は《弱酸性》らしい…相変わらず謎だｗｗｗ


｢ねぇ北山センパイ、玉森は？｣
｢朝から見かけてないんだけど｣
｢信じらんねぇ、アイツ遅刻か？｣

就業時間まであと３分…

その時…

｢ど、どいてどいてっ！おはようございますっ！｣
て声がして、玉森裕太がエレベーターホールから走ってきた

バーンとドアが開き、そのままタイムカードに一直線

社員証を翳して電子音が鳴る
その瞬間、始業のベルが鳴った

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