LOVE CASTE … 恋哀階級

CASTE … １１ ページ12

｢タマ、そんな強がんないでホントの気持ち言えよ…宮田がいないのは寂しいって…いつも二人で一緒にゴハン食べたいって…｣

そうだろ…？
誰だってそうなんだ…好きな人と共有する時間ほど幸せなものなんて無いんだから…

｢…違っ、｣
｢違うのか？なら宮田に文句言うの筋違いだな｣
｢そうじゃ…ない…、だって、宮田…オレといるより佐久間といる方が楽しそうだし…趣味とか…合うっぽいから…｣
｢ゆーたくん…｣

｢…アイツとばっかいたら、アイツの方がどんどん宮田のコト知っていって、オレより宮田のこと知ってたら…ヤなんだ…トシくんのコト、全部知ってんのオレだけって…思いたいから…っ｣

｢同じだよ…｣
｢同じ？｣
｢オレもゆーたくんのこと全部知ってんのオレだけって思ってる、ゆーたくんの泣いてる顔も怒ってる顔も寝ぼけてポワポワしてる顔も…全部可愛くて全部好きだよ、佐久間のコトは気の合う後輩として可愛いと思うけど、それ以上知りたいとは思わない…でも、ゆーたくんのことはいつも全部知りたいと思ってる｣


宮田の無自覚な爆裂テロ告白に、タマは耳朶まで真っ赤になってて…さて、オレはそろそろ帰ろかな…

｢じゃ、オレ帰るわな、後はどうぞラブって下さい、タマまた月曜な！｣
｢え、ミツ帰んの？｣
｢ゆっくりメシ食ってけよ、佐久間とやらの入る隙間なんか無えって言うくらいくっついとけ！｣

｢ミツ…ありがと…｣
｢宮田、タマ頼むな、コイツ酒癖悪ぃから送ってってやって！｣
｢ラジャりましたァ！｣

宮田か、…初対面なのになんかそんな気しないな、改まった挨拶は交わさなかったけど、まあタマの相手としちゃ合格かなｗｗｗ

｢あ、お会計…3人分でお願いします｣
レジの人にそう言って支払いを済ませ、オレは外に出た


まんまるい月…
今日は満月かぁ…

あの日も…窓から見える月がキレイだった



《寂しい…》


素直にそう言えたなら、あの時状況は変わってたんだろうか


｢…結婚するんだってな、相澤教授のお嬢さんと…｣
｢…知ってんのか？…でも、まだ決めた訳じゃ｣
｢同じ大学だし、そんなんどこかしら情報漏れる…いんじゃね、病院…お前の夢だろ？｣

その頃相澤教授には、総合病院開業のウワサが立っていた

トモは、いつか自分の病院を持ちたいというのを学生の頃からよく話してくれていた
けど、バックアップしてくれる家族がトモにはいない

《家族は、ばーちゃんだけなんだよな》


｢いいのか？ホントに…｣

｢構わねぇよ…｣

CASTE … １２→←CASTE … １０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す