チャラくNIGHT?…185 ページ44
そう言って微笑む太輔の笑顔は、鮮やかな夏の花ではなく、秋風に揺れる秋桜のように優しく可愛かった
「うん、…サンキュ」
「宏光ならきっと満足できる結果を出せるよ。でも、無茶はしないで…あなたは時々、誰より一生懸命過ぎて、…見ててハラハラするんだ…」
言葉の終わりに、そっと太輔の右手が頬に添えられる、見つめる瞳は寂しさを隠せないコトを伝えてきた
「…傍に、いられないから…」
「太輔…」
「また、離れ離れ…ですね…」
小さく息を吐くと、太輔はオレから離れ向日葵から別の花に目を移した
しゃがみこんでオレに背を向け萎れた葉や咲き終わった花を摘み取りながら、「暫くこの花畑の世話も出来なくなりました」と言った
「そうだな…、住職への修行、行くんだよな」
「はい、短くて三年…それ以上かも知れませんが、間もなく行きます…」
「花畑はどうするんだ?」
「明慶さん達が世話をすると言ってくれたのですが、断りました…寺の管理も大変でしょうし、…一度、この花畑は更地に戻します、この向日葵が最後の花です…咲き終わったら、次に花を咲かせるのは私がこの寺に戻ってきた時になります、また一から育てて行こうと思っています」
そう言って、その日を愛おしむような表情をオレに見せた
「…そか、お前らしいな」
「待つ楽しみがあれば、それまでの日々は幸せになります…それを教えてくれたのは宏光…アナタです…」
徐ろに立ち上がり振り返ると、オレの腕を取りそっと引き寄せた
決して無理強いはせず、抱き締めると言うよりはオレの周りの空気を包み込む様に抱き寄せられる
サラリとした作務衣の肌触りを頬に感じた
そして太輔の香り…
「…不謹慎だとわかっています、でも…会いたかった…」
掠れるような声が耳に届く…オレと同じ気持ちでいてくれたコトが素直に嬉しかった…それと同じくらい、突然住職を失った哀しみを一人で抱えさせてしまったコトに申し訳なさが溢れた
「…ずっと一人でいさせて、ゴメンな…辛かったろ…」
少しだけ高い位置にある太輔の頭に手を伸ばし、ちょっとだけクセのある髪に撫でるように指を絡ませた
「この場所があったから…大丈夫だったよ」
「…ココ?」
「うん…私の幸せの原点、宏光と出逢った場所があるから…頑張れた…、それに…」
「それに?」
「住職様が残してくれたお守りがある…」
作務衣の袖から見える黒水晶の数珠を見せてくれた…
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GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 《まえあし》《あんちゃん》とネタあり過ぎですね!宮玉&佐久間も面白いーwww (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 頂ければ有難いです!コメ大感謝です! (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは!コメありがとうございます!《One Kiss》安定の移行wでございます!今回は亀展開でホントに読みづらくなっております…流石にもうネタも無いのでwこの章でラストとなります、再会シーンに速くたどり着きたーいwww宜しければラストまでお付き合い (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 気長に書いていこうと思います!《One Kiss》移行となりますw、宜しければラストまで覗いて頂ければと思います!いつもコメ大感謝です! (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんばんは!連コメありがとうございます!やーもぉご心配頂きありがとうございます!アドバイスも嬉しいです、そうですね、《One Kiss》については久々悩みまくりですw、《まえあし》《あんちゃん》と書きたいお題はいっぱいあるんですけど、何だかなぁ… (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年7月12日 23時