チャラくNIGHT？…１７０ ページ29
｢ここは風がよく通りますね…夏の暑さが随分和らぐ…｣
｢そうですね、境内に風を遮るものが無いので、夏も思ったより過ごしやすいです…｣
客間にお通しした宏哉さんは、開け放した障子から外を眺めながらそう言った
心海が冷茶をもってきてくれたけど、宏哉さんからの話が始まるまで何も喉を通らない気がした
愛しい宏光…確かにこの人はそう言った
宏光とのコトをどこまで知っているんだろう
もう何もかも終わってしまったけど、宏光への愛しさは終わりを告げていない、今もまだ…この焦がれる想いは手離せずにいた
｢太輔くん…｣
｢はい｣
｢君は、これからの自分をどうしたい？｣
｢え？｣
どうしたい…？宏哉さんの欲しい答えが何なのか分からなくて言葉を探せない
けれど、僧侶としての自分が言うべき言葉は一つしかなかった
｢…納骨が済みましたら本山の修行に参ります、そして一日も早く道を悟り、この寺に戻り住職様のような立派な僧侶になれるよう努力精進して参る所存です｣
修行は短くて3年…長ければもっとだ…
その間は何があろうとここには戻れない…
外界との遮断、それが住職になるための必要不可欠な条件だった
｢それが君の本当の望みなの？｣
宏哉さんの眼差しは、心の奥のその奥に隠した大切な思い出を引き戻そうとしているように見えた
思わず目を逸らし境内に目をやる…
けど、ココにもあの人との思い出がそこかしこに散りばめられていた
初めて出会った花畑…幼い心は宏光の笑顔で満たされた
一緒に月を眺めた…
帰らないあの人が心配で、何度も外に見に行った…読経のお勤め、足が痺れて立てなくて無理して立ち上がって転びそうになった
笑ったり怒ったり、チャラ過ぎてちょっとケンカになった…
そして、あの日抱きしめて…キスして……手離したんだ…
たった一つの大切な恋が、この場所にあった
宏光…宏光……好きだ……
あなたがいない時間がこんなにも苦しいなんて、知りたくなかった
｢…ッ…｣
洩れでる声を、必死で抑えた
｢太輔くん…実はね、ご住職は亡くなる日に私と父に会いに来てくれたんだ…何の為だと思う？｣
｢あの日…ですか？｣
｢そうだ、ご住職は、君を後継者から外すことを許して欲しいと懇願しに来られた｣
｢後継者から…外す？｣
どういう事だ…住職様は私を次の住職にしたくなかったのか…？
その時、住職様と交わしたやり取りが記憶に戻ってきた
｢お前には還俗して大切な人と共に生きる選択肢もあるのだよ…｣
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GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 《まえあし》《あんちゃん》とネタあり過ぎですね！宮玉＆佐久間も面白いーｗｗｗ (2017年7月28日 22時) (
レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» 頂ければ有難いです！コメ大感謝です！ (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは！コメありがとうございます！《One Kiss》安定の移行ｗでございます！今回は亀展開でホントに読みづらくなっております…流石にもうネタも無いのでｗこの章でラストとなります、再会シーンに速くたどり着きたーいｗｗｗ宜しければラストまでお付き合い (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 気長に書いていこうと思います！《One Kiss》移行となりますｗ、宜しければラストまで覗いて頂ければと思います！いつもコメ大感謝です！ (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんばんは！連コメありがとうございます！やーもぉご心配頂きありがとうございます！アドバイスも嬉しいです、そうですね、《One Kiss》については久々悩みまくりですｗ、《まえあし》《あんちゃん》と書きたいお題はいっぱいあるんですけど、何だかなぁ… (2017年7月28日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2017年7月12日 23時
