One Kiss！！…２

チャラくNIGHT？…８５ ページ37

けど、どのツラ下げて会えばいいのかわからなくて…

兄貴の役に立ちたいなんて言いながら、実際はその兄貴にすら存在意義を持ってもらえてなかったなんて、恥ずかしすぎるだろ…

｢渋みつさん…？｣
｢あ…悪ぃ、今オレどっか行ってたよな｣

苦笑い浮かべると、ジョッシー松村が少しだけ心配そうな顔をした

｢渋みつさんも、そんな顔するんですね｣
｢ん？｣
｢そんな切なそうな顔…｣
｢切ない…？｣
｢会いたい人がいるのに、ガマンしてるって顔に書いてます…｣
｢…なワケｗ｣

乾いた笑いしか出来なくて、戸惑うオレにジョッシー松村がニコっと笑いかけた

｢《会いたい》は、恋のSTARTです！大切にして下さいね！｣
｢こ、恋っ！？｣

んなバカなっ！ナイナイナイ！！
無いってェ！

無いだろ、いやマジで！
プルプル首を振ってると、突然ジョッシー松村が立ち上がり声を上げた

フロアに向かって手を振ると

｢あ、来たっ！渋みつさん、私行きますね！｣

と言うなり、とっととフロアに下りて行った


あ、…なるほど納得…
愛しの《KENーKING》参上ってヤツですね
あーあー、ジョッシー松村って顔トロけてるぞ…

恋してんなぁ…て丸わかり

微笑ましいというか、可愛いというか…


恋かぁ…、もどきはあるけどガチは無いよな…

オレみたいなパリピに好かれても、先が見えねぇもんな…

ため息付いてアイスコーヒー飲み干した時、タクマが呼びに来た

｢みつ、早く降りてこいって、ンなとこでアイスコーヒーとか、おま変わりすぎ！悟り開いてんのかよ！｣

ホラホラって促してくる
しゃーない、下りるか…寺で静かな時間ばっか過ごしてたから、この大音量が苦手になっちまった…

風の香り…葉擦れの音……月の光が心を鎮めてくれるコトを知った今、ココにある人工的な空間はオレの胸に何も響かない…


つまんねぇ…


でも《渋みつ》にはもう、ココしか居場所が無い…



誰か教えてくれよ

ホントのオレの居場所…



ソレは、どこにあるんだ……

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