チャラくNIGHT?…82 ページ34
5、6人の《いかにも》な集団の中に、オレの見知った顔があった
金パのロン毛、丸っこい鼻、クリクリした目…割と大柄なヤツらばかりの中に一人だけ小ぶりな姿…
目の前を通る女の子達に、誘いの声を掛けてるけど、つまんなそうな表情を一人だけ浮かべていた
間違いない…でも、何でこんなトコに…?
驚きと疑問が優先して、怖さも忘れオレはその人に近づいて行った
まっすぐに向かってくるオレに気付いたのはヒロさんじゃなくて他のヤツ、不審な表情を向けて見てくるけど、オレの視線はヒロさん一人にしか向かわない、その人に耳打ちされたヒロさんがコッチを見て、目を見開いた
「ヒロさん…」
「心海…何してんだよオマエ…修行は?」
その声も正しくヒロさんだった
一瞬だけ戸惑う表情を見せたけど、直ぐに真顔に戻った、そしてあからさま面倒くさそうな顔を作った
「夏休みだから実家に戻るとこ…買い物に来たんだ…ヒロさんこそどうしてここにいるの?お兄さん帰ってきたんだろ…実家に戻ったんじゃないの?」
「…あ?兄貴帰ってきたからココにいんじゃん」
皮肉な笑みを浮かべて、顎をしゃくる様な話し方…今のヒロさんは、オレの知ってるヒロさんじゃなかった
「…兄貴がいるから、もうオレはお払い箱…本来の場所に戻っただけだ、お前もさっさと買い物済ませて帰れよ!…じゃあな、…行こうぜ、ナンパの場所変えよ」
ヒロさんがそう言うと、周りにいたヤツらがそれに従うように付いていく
なんとかして引き止めなきゃ!
「ヒロさん、太輔様が心配してる!一回でもいいから寺に来てあげてよ!」
思わず発した言葉にヒロさんがの足が止まった
「太輔様、ヒロさんのお母さんのお墓に毎日花畑の花お供えしてる、ヒロさんのことずっと心配してるからだと思う、お願いだから寺に来てよ」
追いかけようとしても、今のヒロさんとオレの間には目に見えない…でも確実に相容れない壁のようなモノがあった
「ヒロさんッ!」
「余計なコトすんなってアイツに言っとけ、オレはヒロじゃねぇ、《渋みつ》だ、チャラ引っさげてテキトー生きてんのが似合ってんだよ」
振り向きざま口角片方上げてそう言うと、周りのヤツらと人混みに入っていった…
「…似合ってないよ…全然…」
あんな暗い目をして、変にカッコつけた笑い方して…ヒロさん、あんなの全然ホントのヒロさんじゃないだろ…
「とりあえず太輔様に言わなきゃ…」
オレは駅に向かいながら、スマホを取り出した
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» お話は進んでおりますが、ハラハラ展開が少なくなってきたかもです、、宜しければ続き覗いて見て下さいませ!コメ大感謝です! (2017年6月12日 11時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!コメ返遅くなりましてゴメンなさい、ネタバレ注意と言うよりは、興奮しまくってあんま覚えてないのがホントの理由ですwwツアーDVD待ち遠しいですね!秋冬かなぁ、個人的には冬ドームとかしないのかなって思ってます、《スノド》の時みたいに! (2017年6月12日 11時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんばんは。広島参戦したんですね。ネタバレ注意って事で参戦出来ない私はツアーのDVD待ちになるのかな?お話の続きも楽しみにしてます。(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: e94527389c (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 藤北かじゅさん» こんばんは!コメありがとうございます!はい、多分大丈夫じゃないと思いますwwやー、どうしましょうね…でも行かずにいられないのが《渋みつ》なのです!ココは運命を信じます!宜しければ続き覗いて下さればと思います!コメ大感謝です! (2017年6月4日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
藤北かじゅ(プロフ) - お久しぶりです。あの渋みつちゃん、事務所行って大丈夫?すっごく気になって思わずコメントしちゃいました。更新楽しみにしています。 (2017年6月4日 21時) (レス) id: bcd1835547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年5月4日 12時