チャラくNIGHT?…68 ページ20
宏光から出る言葉は、オレをとても悲しくさせた…
この人は、こんな風に傷つけられていい人じゃない…誰より優しくて、誰より周りをよく見てる…だから、傷つけるより傷つくほうを選んでしまうんだ…
花畑でこの人を見つけた時も、小さいながらも泣き声を抑える為に片方の手の甲を噛んでいた…頬に零れた涙を何度も何度も拭って、その姿がオレの中に強烈に残った…
いつもなら知らない人の姿が見えると怖気づいて部屋に戻ってしまうけど、たった一度この時だけは、花畑に吸い寄せられるように入っていった
泣いてるコトを知られたのが自分と同じ子どもだから安心したのか、宏光は零れる涙を拭うこともせずコッチを見てきた、今も印象的な大きな瞳が不思議そうな色を浮かべたのが分かった
「…泣いてるの…?」
そう尋ねると、宏光はゴシゴシ目元を拭ってから頭を振った
「…違う、泣いてなんか、ない…」
「…でも…」
手を伸ばして触れた頬は、泪のアトが付いていた
「泣いてなんかない…僕が泣いたらお父さんとお兄ちゃんがもっと悲しくなるから…お母さん、笑ってるボクが好きって言ってくれたんだ…お花になって、ずっとボクの傍にいるって言ったから……だから…ッ泣かない…ッ」
お花になる…その言葉が自分の両親を思い出させた…顔も覚えていない、写真でしか存在しない両親、親代わりになってくれた住職が教えてくれた私の両親はとても《お花が好きな人》だったらしかった
何となく、この人と自分の置かれてる背景が似ている気がした…一人ぼっち…なぜかその言葉が胸に浮かんだ
「ボクが傍にいてあげる、だから泣かないで」
「いいの?」
「うん…」
おっきくて澄んだ目を向けられて、ちょこっとドギマギした
口下手で人見知り…自分が誰とも打ち解けられないコトは幼心に分かっていたけど、この人とは通い合う何かがある様な気がしていた
秋の日…花畑にはこの寺の名前にもなっている《リンドウ》の花が一面に咲きそろっていた
2人で並んで座って、特に何を話すでも無いけど居心地の良さをなんとなく感じ取っていた
「お母さんがお花になったのなら、ボクがお花をたくさん咲かせてあげる、またココに来た時見せてあげるね」
「お花…咲かせてくれるの?」
「うん、だからまたココに来た時、一緒にお母さんにお花を見せてあげようね」
「一緒に?ホント?」
返事をしようとした時、小道から花畑に向かって来る人が見えた、誰かを探してる…
「ヒロ、どこだ?」
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GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» お話は進んでおりますが、ハラハラ展開が少なくなってきたかもです、、宜しければ続き覗いて見て下さいませ!コメ大感謝です! (2017年6月12日 11時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんにちは!コメ返遅くなりましてゴメンなさい、ネタバレ注意と言うよりは、興奮しまくってあんま覚えてないのがホントの理由ですwwツアーDVD待ち遠しいですね!秋冬かなぁ、個人的には冬ドームとかしないのかなって思ってます、《スノド》の時みたいに! (2017年6月12日 11時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - こんばんは。広島参戦したんですね。ネタバレ注意って事で参戦出来ない私はツアーのDVD待ちになるのかな?お話の続きも楽しみにしてます。(^^) (2017年6月12日 1時) (レス) id: e94527389c (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 藤北かじゅさん» こんばんは!コメありがとうございます!はい、多分大丈夫じゃないと思いますwwやー、どうしましょうね…でも行かずにいられないのが《渋みつ》なのです!ココは運命を信じます!宜しければ続き覗いて下さればと思います!コメ大感謝です! (2017年6月4日 22時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
藤北かじゅ(プロフ) - お久しぶりです。あの渋みつちゃん、事務所行って大丈夫?すっごく気になって思わずコメントしちゃいました。更新楽しみにしています。 (2017年6月4日 21時) (レス) id: bcd1835547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年5月4日 12時