One Kiss！！…２

チャラくNIGHT？…５７ ページ9

｢心配って？｣
｢んと、ヒロさん肉食だし…って出掛けんのめっちゃ反対してたから｣
｢ああ？ソコっ？、なんだよ、つまりはオレが薫乃を食っちまうかも、とか？｣
｢いや…えと、話自体はそうなんだけど…ニュアンスなんかちょっと違う…ような｣

心海は首を傾げながら、腑に落ちない表情を浮かべてオレを見た

まあ確かに…藤ヶ谷太輔は《INTER》でのオレの振る舞いを見てるもんなぁ、そう思われても仕方ねぇか…薫乃は大事な檀家の一人娘で嫁入り前、もしオレがなんか仕掛けたら一大事だもんな…ていうか、アイツまさかの《薫乃love》…？

そうかぁ…でも可哀想になぁ、ソッコー失恋じゃん、いやいやマジで…だからオレが薫乃の話したら不機嫌になったんだ、…フムフム、渋ミツ納得しましたァ！

｢ヒロさん…百面相がキモい…｣
｢るっせ！ほら帰っぞ、おまテスト勉強は？｣
｢てへ！ヒロさん帰ったら見てくれるんでしょ｣
｢バホ！最終やんのお前だろが！｣
｢赤点じゃ無きゃいいかな？｣
｢どんだけポジティブｗｗｗ｣

そこから満員電車に乗って寺に帰ったらオレ達、藤ヶ谷太輔は檀家回りから帰っていて、本堂からオレ達が帰ってくるのを見つけると、ちょっとムッした顔をして境内に降りてきた

｢心海、今までどこに行ってましたか？テスト勉強もせずに…何の為にテスト期間中の修行を免除してると思ってるんです？｣

｢はい…申し訳ございません…今からやります｣
｢全く…凛堂寺はあなたを御両親から責任を持って預かってるんです、キチンとお勤めをこなしていかないと…｣

珍しく小言が多い藤ヶ谷太輔…

｢もういいだろ、大体元はと言えば、オマエがオレと薫乃のコト変な風に勘ぐったりするから心海が心配して今日付いて来るハメになったんだろ？…ったく、薫乃が好きならサッサとコクれば良かったのによ、アイツ嫁入りするらしいぞ｣

｢…は？私が西園寺のお嬢さんを？｣
｢え、違うの？｣

藤ヶ谷太輔は、ワケ分かんないって顔でオレを見てくるんだけど、ん？なにそのキョトン？

｢どっからそんな話…｣
｢オマエさ、オレが薫乃の話したらすっげー不機嫌カマしてきたじゃん、薫乃のコト好きだからオレがアイツに構うのがウザかったんだろ？｣

｢違いますっ！そんな…ッ｣

全力で真っ向否定の藤ヶ谷太輔は、初めて見る様な焦り方をしていた

｢じゃ何でオレと薫乃が出掛けんの、反対したんだ？｣
純粋に疑問なんだけど…



｢…もういいです…二人共部屋に戻りなさい｣

チャラくNIGHT？…５８→←チャラくNIGHT？…５６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す