the pink snow battle … 雪華CP

さくら風舞季…２２ ページ22

｢迷ってる…？どうして？｣

太輔が少し苦笑いを浮かべた

｢…医学的見解からの事もあるだろうし、何よりまた同じコトになったら…と怖いんだと思う…そんなコトになればせっかく松永と育んできた絆を、また失うことになるんじゃないかって…ユリにとって松永は唯一、人として敬愛できる対象だからな…まあ、あの勝気でドＳなユリを惹き付けられるオトコなんか、この世界に松永以外いないだろうし…｣

｢言えるな…ユリは学生時代から骨の髄まで松永に浸ってる、骨抜きとはああいう事を言うんだろう、可愛いというかはビミョーだが｣

この人、やっぱ《骨フレーズ》多いな…


｢まあ今回は、オレも手伝えることがあれば何でもさせてもらうつもり、ユリには幸せになって欲しい、オレと雅喜のコトで何年も辛い想いをさせた…それにユリの松永の子なら、血筋から言っても如月三代目にも相応しいしな！、まあその子次第だけど｣

パチッてウインクしてくる太輔は、オレの好きないたずらっぽい笑顔を見せた

｢そうだったんだ、オレ…めっちゃ誤解、してた…｣

｢ホントだよ、ドコから櫻子がオレの子って…｣
｢スミマセンっっ！ホントにスミマセンっっ！オレが組長の電話聞いちゃって勝手にストーリー作ってミツに…、ホントにスミマセンっっ！｣

土下座の勢いで太輔に謝ってるニカに、太輔が呆れたような表情を作る

｢やっぱそうか…ＴＥＬ切った時オマエすっげぇ変な顔してたから…おま妄想も大概だな｣
｢違うって！、オレがニカと健永の話、立ち聞きしてクルマ潜り込んで付いてきたんだ、ニカは悪くねぇよ！｣
｢いえ、オレが悪いんです！｣
｢チゲぇよ、オマエは黙ってろ！｣

その時、空になったケーキの皿にフォークを置く乾いた音がした、ハッとオレとニカの口が止まる

｢いい加減にしろっ！ケーキが放って置かれて可哀想だ、さっさと完食して三人で帰れ、仲直りは帰ってからそれぞれですればいい｣

腕組みしてそれぞれに視線を向ける、オレと目が合うと櫻子さんは微かに口角を上げた

ちょっと(てか、かなり)変わってるけど、でもホントにキレイな人だな…

相澤センセイと同じ《S》が滲む表情に思わず目が向くけど、｢宏光｣と呼ばれて顔を向けたオレの口に、ケーキが一口突っ込まれた

ムグ……うん、美味しい！


その時、太輔のTELが鳴った、チラリとオレを見ると
｢は？…ああ二人ならココにいる、これから戻るから…｣

と言ってTELを切った

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