さくら風舞季…9 ページ9
「宏光、起きてたのか?」
頭のなかぐるぐるして、スーツを持ったままのオレにアタマ拭きながら太輔が入ってきた
「あ、おかえり…太輔」
「うん、ただいま、遅くなってごめんな」
冷蔵庫からペットボトルの水を取りだしフタを開けると、ソファにカラダを預けるように腰を下ろした
「はあ、疲れた…も、やめて欲しいよな毎日毎日…ここんトコ宏光と晩メシ全然食えねぇし…」
そう言って、またため息ついて水を飲んだ
「…まだ接待…続くのか?」
「わかんねぇな…松永次第かな」
「そか…あ、このスーツ片付けてくるな」
「ん、いいよ、それすげぇタバコ臭いだろ、クリーニング出すわ、今日のヤツめっちゃヘビスモだから参った、オレ目の前にして吸うかな…」
信じらんねぇってブツブツ文句言ってるけど、なんて言えばいいのか…
「そだな…確かにタバコの匂い、スゲェするな」
他の匂いも…って言いたいけど言葉が続かない
立ったままのオレになんかを感じたのか、太輔がオレに手を差し出してきた
「なんだよ…」
「ココおいで…」って風に、自分の膝にちょっと目線を向け、オレの手を掴む…ペアのバングルは今もお互いの手首に嵌めてて…いつもなら躊躇いなく乗っかるんだけど、今日に限ってはなんか自主規制してしまう
太輔もオレの態度がいつもと違うコトに気付いたみたいで、ちょっと眉を下げた
「…帰んの遅くなったから怒ってんの?」
「違う…だって仕事だろ、そんな訳ねぇじゃん」
「あのさ、そんな寂しそうな顔して強がられると、どうしていいか分かんない」
言うなり、掴んだ手をグイッと引き寄せられ抱き寄せられた
そのせいで持ってたスーツが床に落ちる…
香水と同じブランドのボディソープは、体温が高いとより濃く香りを感じさせる
黒のバスローブは、最近の太輔のお気に入りだ
肌触りが良いからってオレにも同じのを買ってくれた
「宏光、風呂まだだろ?」
「うん」
「じゃ入ってこいよ、もう寝よ…待ってるな」
前髪をそっと指先で上げられて、チュ…て軽く唇くっ付けてくれる
待ってる…の意味するコトはもちろん分かるけど、なんだかいつもみたいにドキドキが増えない…
太輔はそんなオレの気持ちを知ってか知らずか、…いや、知らないよな…水を飲み干すと、ちょっと笑ってオレの頬を指先で一撫ですると、寝室に入って行った
その背中を見送りながら、オレは床に落ちたスーツをソファの背もたれに掛け、バスルームに行った
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GAYASAKURA(プロフ) - 未来さん» ありがとうございます!はい、ご期待に添える展開になればいいのですがwww、また感想などございましたらお待ちしていますー! (2017年5月27日 19時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - それなら安心しました(^^)私、北藤はどうも苦手なんですよね!?m(._.)m one Kissも続き楽しみに待っていますね!?(^^) (2017年5月27日 18時) (携帯から) (レス) id: 546aa22f8e (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 未来さん» 《姫ガヤ》なんだけどキメる時は《雄ガヤ》です!裏的シーンをどのレベルまで入れるかはまだ思案中なのですが、宜しければ続き覗いて見てくださいね!コメ大感謝です! (2017年5月27日 18時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - 未来さん» こんにちは!コメありがとうございます、お返事遅くなりましてゴメンなさい!はい、なんとかどうにかオールupとなりました、おフザケも入れてしまったのですがちょこっとでも楽しんでいただけたなら何よりです!えーと《one Kiss》ですが、もちろん《藤北》でーすw (2017年5月27日 18時) (レス) id: 0cce3636ea (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - 久コメです。完結おめでとうございます!!小悪魔なミツが凄く可愛かったです(^^)one Kissも楽しみなんですけど、姫系なガヤでも、あくまでも、CPは藤北には変わりないんですよね!?m(._.)m (2017年5月27日 1時) (携帯から) (レス) id: 546aa22f8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:GAYASAKURA | 作成日時:2017年4月30日 23時