One Kiss！！

チャラくNIGHT？…１６ ページ17

｢自分のコトは、自分にしか分かりません…大切なのは分かろうとしてくれる人に出会う事だと私は思います…今のままでは、宏光さんはずっと一人ぼっちですよ｣

｢一人ぼっち…？｣

｢寺での修行がアナタをどう変えるのか、今は分かりません…もしかしたら何も変わらないかもしれない…ですが何もしなければこのままです、大切な何かを見つける為に私と凛堂寺に行きましょう、…ね？｣

藤ヶ谷太輔は、そう言ってオレの手を取った…


振り解けばいいのに、どうしてだか出来なくて
でも、前にも進めなくて俯いたままのオレ


｢私が傍にいますよ｣

ふと聞こえた言葉に、オレは顔を上げた

確か…前もこんなコト……


《一緒にいてあげる…》

その子の顔も思い出せない程、言うならその記憶さえホントにあったことなのか曖昧で…オレは頭の片隅に残っていた同じ言葉に、藤ヶ谷太輔の顔を見た

｢どうかしました…？｣
｢あ、いやなんでも…無い…｣

見つめる瞳に何となく居心地の悪さを感じて、オレは掴まれた手首に目を移した

｢離せよ…｣
｢…宏光さん｣
｢ちゃんと行くから！つか、行くしかねんだろ！｣
｢ホントに？｣

なんだコイツ、いきなり声のトーン違うしｗｗ

｢どうせココ居られねぇなら、どこでもいいわ、寺ってメシ付いてるよな！？｣
｢ｸｽ、もちろん食事付きですよ｣
｢ならいっか…連れてけ！｣
｢畏まりました！当面の衣服は寺で用意をします、アナタは身一つで構いませんよ｣
｢そうなの？｣
｢はい、俗世間とは一線を画すのが《寺修行》です…何もかもが新しい毎日、新しい自分と日々向き合い、大切な物を探していきます｣

｢ふーん、なんかかっけーな！｣
｢かっけー…？｣
｢カッコイイってコト！｣
｢あーそんな風に言うんですね、ﾌﾌ、新しいですね、知らないことを知るのは楽しいです｣
｢楽しいか？、ならオレが俗世間の新しいモノをオマエに教えてやるよ！｣

｢ギブ・アンド・テイク…ですか？｣
｢ま、そんなトコｗｗ｣

そしてオレ達は笑い合う


なんだろ、なんかコイツ面白い…
初めて会ったのに懐かしい感じ、そう言えば、コイツもCLUBでオレのコト、なんだか懐かしそうな目ぇして見てたよな…

｢なあ、藤ヶ谷太輔…｣
｢はい？｣


｢オレ達さ、会ったことある？｣


俺の問いかけに、藤ヶ谷太輔はフンワリと三度目の真っ白笑顔を浮かべた…

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