One Kiss！！

チャラくNIGHT？…１１ ページ12

ソイツはずっとオレを見てた

しかもなんだか懐かしそうな目をして…フロアの端っこに立ったまま…

知らないヤツだしキモ過ぎるしで、敢えてソッチは見ないようにして、顔見知りとつるみながらスタッフとして動いていた

とはいえ、けっこう端整な顔立ちしてるし袈裟なんぞ着てるからソイツ悪目立ちし過ぎてて、周囲の視線を独り占めしていた

あからさま誘いを掛けてるオンナもいたみたいだけど、ソイツ全くスルーで《マジ大仏かよっ！》ってキレまくってるヤツもいた

そのうち店長からお役御免でいいって言われたオレ、待たせてたジョッシー松村の様子を見にフロアから外れた待合に行くとションボリ肩を落としたジョッシー松村がいた

｢ほら、これ飲めよ！｣
｢お酒飲めません…｣
｢酒じゃねぇよ、ノンアルカシオレ！｣
｢なら頂きます｣
って、一気飲みかッ！

｢やっぱり私みたいなダサいヤツが恋なんかしちゃいけなかったんです…｣
｢いやいや、そんなコト無いっしょ、まぁその…たまっちは特殊な感覚の持ち主だからさ…｣

だってアイツの《トシくん》てさ、ガチめのアニオタだよ！？会ったコトもあるけど、サイリューム振り回してキレキレ踊りまくってて、玉めっちゃそれ見てポポッてしてるし…なんて口が避けても言えないけど…

｢ジョッシー松村に似合うヤツが絶対どっかにいるからさ、元気出せ…な？｣
この自信なさげなトコとか、なんか似てんだよなぁ…

｢渋ミツさん優しいですね、ありがとうございます！なんか元気出せそうです！｣
｢そうか？ならフロアで一発カマして帰れよ、オレがとっときのパラパラ踊ってやる！おま横でポンポン振っとけ！｣
｢え、でも私なんてそんなの…｣
｢いーっていーって！人生楽しんだモン勝ち！イージーモードだって思ってりゃいんだって！オラ来いよ！｣

ジョッシー松村の手を引っ張ってフロアの中央にあるお立ち台に向かう

景気付けに置いてたテキーラサンライズ一気飲みして、うおっしゃぁぁ！一発カマすぜぃ！

DJに耳打ちしてアレを入れてもらう！そ、オレのど定番！

お立ち台に上がった瞬間に湧き上がる歓声と煽りのお約束《渋ミツコール》


｢本当はこういうの好きなんだろ？｣

知る人ぞ知るオレの《チャラくNIGHT？》

一糸乱れぬパラパラがたまんねェェ！コレが生きてるってことだろ？
アゲアゲノリノリでヤなコト全部忘れちまえッ！

フロアは熱気と歓声でムンムンだった




そう…ただ一つ、ソイツのいる場所を除いて…

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