愛し君へ … ２

White Love … ５８ ページ10

｢和真！！｣
｢おう、久しぶりだな、元気してたか？｣

飛行機の時間までちょっと間があったオレは、冬休みに入った太輔に会うコトにした

昨日の夜、連絡先に聞いてたアドレスにメールを入れると、直ぐに了解の返事が返ってきて、待ち合わせは太輔の自宅近くの駅にした

｢待った？｣
｢いや、そうでもない…ん、オマエ背伸びた？｣
｢へへ！後から３番目だよ、クラブ活動でバスケ始めたんだ！｣
｢そか、オレもやってたな、中学と高校｣
｢え、そうなの？ならさ、こっち帰ってきたら一緒にやろうよ、教えて！オレレギュラーなりたい！｣

見あげてくるその顔は、益々オレに似てて…そのコトが、否が応でもオレ達の母親を思い出させる

そう言えば…ハリウッドに進出って出てたな…
くだらねぇ…女……

｢ん、どしたの和真？｣

いきなり黙り込んだオレに不思議そうな表情向けて来る、太輔はあの女…オレ達の母親のコトを知っているはずだ…どう思ってるんだろう

疑問は湧くが、まだ１０歳の太輔にそんなコト聞けるわけもなく、オレは目に止まったファミレスに太輔を連れて行った


｢なんでも好きなもの食っていいぞ！｣
｢え、ホント？やった！…えっとね…｣

店の人がテーブルを離れると、太輔はワクワクした様子でオレを見てきた

｢ね、ミツは？手術上手くいって良かったな！
いつ帰ってくんの？｣
｢まだハッキリ決まってないんだ、でも太輔のバラのお陰で、ヒロ坊ちゃん、心強かったと思うよ、ありがとな｣

｢そんなのいいよ、何か役に立ったんなら良かった…オレ、ミツより年下だし、まだ何も…してやれないからさ、和真が羨ましい……なんでもミツにしてやれて…｣


そう言って、太輔は視線を下に落とした

｢…そんなコトねぇよ｣
｢え…｣
｢オマエは、ある意味オレなんかよりずっと…ヒロ坊ちゃんの心に近いトコにいる…オレじゃ入れない部分…絶対に入れない深いトコに、オマエはごく自然に入って行った……オマエはきっと、オレよりヒロ坊ちゃんを…元々のヒロ坊ちゃんに戻せると思うよ｣

｢元々の…ミツ？｣

まだ幼さの残る太輔…だけど、あと２・３年もすれば、きっと心のしっかりした、真っ直ぐで一途な男になるだろう…

オレとは違う…ヒロ坊ちゃんと同じ感覚と目線で同じものを見て欲しい…

｢そ、だからちゃんと勉強しろよ！通知表どうだった？｣

｢えー、マジそこ？あ、でも４が増えたよ、算数と社会！｣
｢フフン、まだまだだな、オレ、オール５！｣
｢うっぜ！｣

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