愛し君へ … ２

White Love … ９１ ページ43

着々と進むドバイ派遣への準備

向こうで住む家は、会社が用意してくれるシェアハウス、つまり亮介と同じ家に住むということ、どうやらコレは社長の配慮らしかった

直属上司からは
｢何かと別な方が良くないか？恋人とか出来たら…なあ、社長も年頃の男二人で同居とか、何なんだろうな…｣

て気の毒そうに言われたけど、それには苦笑いしか返せないオレ達

まあ、新婚だしね！別々に住むとか有り得ないから！…とはさすがに言えないか…

でも、オレは出発前にどうしてもしておきたいことがあった、

それは…

｢は？オレの実家に行く？必要ねぇよ！｣
て、ソッコーで断られた

｢だってさ、やっぱりご両親に挨拶しとかないと…｣
｢オマエさ、よもや《息子さんを下さい》とか言うつもりじゃねえよな？｣
｢ピンポーン！｣
｢ふざけろっ！マジで意味わかんねぇ！｣

つっけんどんな返しに、ちょっと凹むけどオレにも意地がある

｢息子さんを下さいは、言い過ぎかもしれないけど、ドバイに誘ったのオレだし、一言挨拶に行こうよ｣
｢必要ねぇって言ってんだろっ！おま、しつこいっッ！｣
｢どうして？ドバイに行ったら次いつ帰ってこれるか分からないんだぞ！向こうで何かあるかもしれないし、亮介、オマエ留学から帰って一度も家に帰ってないんだろ！オレと一緒に会いに行こうよ、な？｣

いつもなら、オレの《な？》に頗る弱い亮介…

でも今回ばかりはホントに頑なで…

｢イヤだッ！｣
｢亮介｣
｢…会いたくないっ！会いたくないんだっ！行かないッ！イヤだッッ！｣

駄々っ子か、て思うほどで…この時はオレもそれ以上何も言えなかった…

それだけ心のキズが深いんだろうと思う…気持ちは分かるけど、それでもオレは、このまま亮介をドバイに連れていくのはどうしても間違ってる気がして…何か策はないかと考えあぐねた

数日後…久しぶりの休日…

部屋も大分片付いて、このマンションはオレ達が帰ってくるまでこのままウチのじーさんが預かってくれることになった

｢亮介、今日どっか出かけようか？｣
｢ん、イイの？行くっ！天気もいいしな｣
｢じゃあドライブすっか！｣
｢賛成、オレ海見たい！｣
｢おっけ！｣

ココのとこ、休日も引越し準備とか仕事に出たりとかで、マトモに二人で過ごす時間がなかった、お互いが《お互い不足》を実感していた

触れ合ってもない…

メシ食って風呂入って、気がついたら朝…



オレからのサプライズ…


喜んでくれるといいな…

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