愛し君へ … ２

White Love … ８９ ページ41

て、ワケで遅めの昼メシを二人で食べてます…

｢モーガン教授は、オレの大学時代ついてた教授、卒論ずっと見てもらってたの｣
｢ふーん、でもさ、なんでお前への形容詞が《美人》なの？おかしくない？｣

社長もなんであーいうこと言うかなぁ…

｢モーガン教授はさ、オレの中の《セクシャリティ》な部分を一瞬で嗅ぎとった人なんだよ、あの人も…そうだから｣
｢え、じゃ…｣
｢そう、あの人にはもう２０年以上一緒に暮してるパートナーがいてな、大学でもそれは周知のコトだった、カン違いすんなよ？オレとモーガン教授はあくまで学生と教授以外の関係はない、ただ…オレは、家にも学校にも居場所がなくて、半ばヤケクソ、半ば逃亡者するカタチで留学した人間だから…｣

中学生になる頃には、もう自分のセクシャリティについて自覚していたオレ…《類は…》の流れでオレは想いを寄せていた先輩と気持ちが繋がって、キスをしていたのを母親に見つかってしまい、カミングアウトせざるを得ない状況になった

｢オレの家は代々地元の名士でさ、母親は周囲にその事を知られるのをすごく恐れてて、特に父親にな…だからそのこと誰にも言わずにいてくれたんだ…驚いてはいたけど、オレに対する態度は全然変わらなくてさ、すげー嬉しかったんだ｣

｢けど、申し訳ないって気持ちもいつもあって、とりあえず両親…特に母親を安心させてやりたくて、ひたすら《勉強のできるいい子》を必死に演じてた、頑張って頑張って…ｸｽ…地元では天才少年とか言われてさ、両親は鼻が高いって良く褒めてくれてた…オレもそれが単純に嬉しかったんだ｣

｢うん…｣

｢でも、ある日母親が倒れた…医者には長年溜まったストレスが一気に出たんじゃないかって…母さんは、ずっと…オレのことを父さに隠し続けて、一人で抱えてることに疲れたんだと思う…オレもそれが辛くてな…誰にも言えない想い抱えてた時、知り合った人に頼ってしまったんだ…それが父親の耳に入った……父親にして見れば青天の霹靂だよな…自慢の息子が実は…なんて…｣

｢手のひらを返したように、オレは父親にから罵られてさ…今なら分かるんだ、父さんの気持ち、でもあの頃のオレは何が正しいのか分からくなってた…あんなにオレのことを自慢して可愛がってくれたのに…たった一つ綻びが見つかっただけで、こんなにも違うのかって…勉強ができるオレも、同性に惹かれるオレも…何一つ変わらない…オレはオレなのに…て…｣


｢オレは逃げたんだ…｣

White Love … ９０→←White Love … ８８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す