オレだけの Candy Baby

ほろ苦candy … ４０ ページ41

今日は二人とも車じゃないから、局から北山オススメの店まではタクシー

北山と二人で移動って、仕事でもあんま無い…
ロケバスは、だいたい隣はわたか玉…時々ニカ千が面白がって、くじ引きとかして稀に宮田もある…ww

なぜかめっちゃ、アイツ緊張してるけど！



北山は基本、車のると寝てしまうし、皆もそれ知ってるから敢えて北山の隣は空けてることが多かった…


北山はさっきから、ずっと外を見てる…

「何見てんの？」
「え？、いやなんも、…てかオマエこそ、さっきから何でそんなオレのコト見てんの？…ハズイ…」
「あ…」

北山がプラベでこんな近くにいるコト、ここ何年もないから、ついつい…

「…もう着くよ」
「うん、オレ腹減った…」
「いいよ、好きなもん好きなだけ食えよ、今日はオレの奢り！」
「マジ？やった！」

オレがそう言うと、北山はフフっと笑ってコッチを見た…今だけは、この笑顔独り占め…


わたのLINE…

《告白記念日》…


にはなんねーよな…まだ、はえーよ…


タクシーが止まって、オレたちは店の前で降りた、けっこう渋目の店、どっちかっていうと、もっとオレたちより上の世代が好みそうな…通好みっていうか、北山がこんな店知ってんのがオレにはちょっと不思議だった

「すげぇ大人な店構えだな…」
「だろ？伊織さんていうプロデューサーさんに連れてきてもらってさ、基本一見お断りらしいんだけど、伊織さんのツテで今日予約入れてもらった！藤ヶ谷絶対気に入るよ！ハズレなく何でも旨い！」
「へえ…」

中に入ると、着物着たキレイなご婦人が出迎えてくれた…北山のことは知ってるみたいで、上品な笑顔をオレにも向けてくれて、予約した部屋に案内された

半個室みたいな和室…背筋がしゃんとするような清々しい風情がある…

「本日は何を召し上がりますか？」
「えっと、…お任せでいいです、いいよな藤ヶ谷！」
「あ、うん」

向かい合わせに座ってんのも、あんま無いことで…てか、この状況…何を話したら良いんだ…


「…あ、渉とか、どこメシ行ってんだろな…」
「LINEがニカ千両方から来てた、やっぱ焼き肉行ってるみたいだな、ホレ！」

見せてくれた写メ……舞祭組＋玉か…渉、サンキュ…ん？

「ガヤ…との初でぇと……楽しんで…？」
タイムオーバーで画面に戻るとニカのコメントがあった

「わっ、ソコはいんだよっ！！コイツらバカなんだから！」


そか、初でぇと……





北山のカオが、ポッと赤くなっていた……

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