オレだけの Candy Baby

ほろ苦candy … ３２ ページ33

伊織さんは、相当な敏腕プロデューサーらしく他局にも、海外帰国のスゴいやり手プロデューサーがいるって噂されていた…

仕事にはものすごく厳しいけど、その目は確か
で、中途半端な番組作りしない、例えバラエティでも、誰かを揶揄したり、えげつないことをして笑いを取るとか、そういう質の低い番組は作らないコトで有名らしかった…

もちろん視聴率はどの局も気にしていることで、伊織さんの春の番組編成はどの局も話題になっていた…


先輩がMCをされてる番組なので、ウチのグループからも週変わりで出してもらってて、今は藤ヶ谷が映画に掛かりっきりだから、まあ、少しだけ他のメンバーよりはしゃべれるってことで、ここ何回かはオレが出されるコトが多くなってきていた


伊織さんは、オレの収録の時によく見に来てくれていて、その都度色々アドバイスをしてくれて、修行中の身にはホントにありがたいコトだと感謝していた


「北山くんは、目の付け所がいいね、他のゲストが注目しない点を指摘してる、話の広げ方にも意外性があって見てて楽しいな」
「そうですか、なんか伊織さんに誉められると恥ずかしいです」
「本とかよく読むの？」
「そうですね、元々好きですし引き出しは多い方がいいって、事務所の先輩からも教えてもらってるので、なるべく話題作は読むようにしてます」
「なるほどね、知識は身を助けるというから、北山くんの努力が目に見える形の番組が作れるといいね」
「ありがとうございます、だけどウチは７人全員が、見せない努力してますから！なんたってハブられ寄せ組なもんで、努力と根性はどのグループにも負けないって思ってます！」

オレの返事を聞くと、伊織さんは楽しそうに笑って

「その努力の形を何か表現できるような番組がウチにも一つ欲しいね、そうだな、企画が考えてみようか？北山くんはどう？グループの冠番組欲しい？」

敏腕プロデューサーからの思いがけない打診！

「ソレは、もちろん！オレら、今年がデビュー５周年で、それ記念して何か出して頂けるなら、ホントに光栄です！」

「そう、僕の中では北山くんはぜひ仕事してみたいタレントさんだから、企画が上がったらぜひキミの意見を聞いてみたいな」
「ありがとうございます！意見なんて、そんなおこがましいコトはできませんが、伊織さんの番組は、海外でも高い評価があったというのを聞いています、ぜひ勉強させて頂けたら！」


次へのステップ…

こんなチャンス滅多にない…

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