ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

７６話 ページ28

…ﾋﾟﾋﾟｯ…

「…３８.７…ハァ、オマエな…」

渉の呆れたような声が頭の上でする…てか、めっちゃアタマ…イテェ…

「…あのまま朝までソファでパンイチで寝てりゃ、そら熱も出るわな…なにやってんだよ…」
「…ゴメン…酒…飲んでたし、あんま寒くなかったから…」

気づいたら明け方…なんか喉イテェて思ったら、すげーゾクゾクしてきて…渉、起こしたら悪いと思ってガマンしてたんだけど…オレの咳で起こしちまって…

「…大丈夫…じゃねーよな…参ったな、オレさ今日の大学の講義、どしても欠席できねーんだよ…そのままラブ・アゲだし、夜…会食入っちまってて…」

おでこに冷えピタ張ってくれながら、スケジュール教えてくれた…

「…寝てりゃ治るよ…ｺﾞﾎｺﾞﾎ…渉、遅刻するぞ…ｺﾞﾎ……行けよ…ｺﾞﾎｺﾞﾎ…っ」
「…ん…でもなぁ……一人はなぁ…ゆきに来てもらうか？」

「…ゆきはダメって……」

…オレが熱だしてるトコなんか見たら、絶対パニクる…あの日…思い出させちまう…絶対ダメって…

渉もソレ思い出したみたいで…

「…一人で大丈夫か…」

冷えピタの上から、おでこに手乗っけてくれる…おっきな手が、なんか安心する…

「…うん……」
「オマエ…ホントに熱出すとジョシだな…ウルウルおめめでコッチ見んな」
「…ﾌﾌ…食いたい？…渉ならオレ食われてもいいよ…ｺﾞﾎｺﾞﾎ…」
「アホ、オレはオマエと違ってソッチはめっちゃ好き嫌いあるから！」
「…ひでぇな…オレだって一応あるし…ｺﾞﾎ…」

プッて笑って、オレのアタマ撫で撫でしながら

「そんな口きけんなら大丈夫か…お粥作っといたから、ここ置いとくな…あとアクエリ、解熱剤効いてきたら…少しでもいいから食べろよ…」

そう言って、ベッドの横にちっこいテーブル置いてくれてセットしてくれた…

「なるべく早く帰ってくるから…」
「うん…待ってる…」
「…いっつもソレだと、可愛いんだけどなぁ…」

パタン…と音がして部屋はまたシン…と静かになった…

熱でボンヤリするアタマ…



…やっぱり…宏光の顔が…浮かんだ…

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