ボーイフレンド(借)ーレン・フレ ２

６５話 ページ17

「…っ、ハァ…ヒロ…っ、ン…っ……ｸ……」

薄暗いオレンジの間接照明…ベッドの中で、オレと宏光は、たがいに相手を貪るように愛し合ていた…触れたくてたまらなかった肌と、感じたくて仕方なかった温もりが、今この腕の中にある…

「…太輔…もっと抱いて…っ、お願い…動いて……っ」
潤んだ瞳が…吐息混じりの、掠れた声がオレを離さない…夢中になってその細く華奢なカラダを抱き締め、オレを深く呑み込んでるその体内に、印の様に自分の欲を注ぎ込んだ…

「…太輔…っ、あ…っ…太輔……っ」
「愛してる…宏光…っ、お前しか要らない…っ！」





「…………っあ！……」

……突然の覚醒に、意識が付いていかない…
荒い息をしながら、オレは周りを見回した…


いつもの見慣れた部屋…

一人だけのベッド…先程までいたはずの愛しい人は、隣にいない…


「…っ夢…か…、…なんつー…リアルな…」

うっとうしい前髪を掬い上げ、もう一度大きく息をした時…


「…あ、ヤベ……あっちゃ…勘弁しろよ、マジでティーンかよオレ…」

スウェットの中の、ヌルっぽい感覚…しばらくこんなコトなかったのに…自分が可笑しくて…虚しくなる…


「…どんだけあの人のコト好きなんだよ、オレ…」

自分の掌に…リアルに残る夢の中の宏光のカラダ…触れて、撫でて…その肌の感触まで今も残ってる気がした…

そして、夢の中で宏光を抱き尽くす自分が…たまらなく汚れてるように感じた…


…《男なら誰にでもある欲求だ…金でカタが付く相手にしろ…》


ハルカの声が戻ってくる…



ため息をつき…


…オレはケータイを手にすると、ある電話番号をタップした…


Prrr…


…ツーコールで繋がる…






「はい…」


「…オレ、…今日会える？…」

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