愛を育む人 … ３２ ページ33
「あ、宏光シャワー浴びてくれば？、昨日そのまま寝ちゃっただろ、カラダ綺麗にしてあっためておいで…」
ベッドの中で二人だけのまったりした時間を過ごしてると、太輔がふと気付いた様に言っていた
「この寒いのに水なんか浴びて、あのまま凍え死んだらどうしようかと思ったよ」
「ごめん…でも、HEATの香りが凄くて…絶対隠さなきゃダメだって思ったんだ、香りが外に漏れたら…関係ない人まで煽ることになるから…」
トモが言っていた
《宏光の香りはどのΩよりも強い、通常の抑制剤は効かない》
服用していたのは、トモが用意してくれたモノだ、どれ程のものなのかは分からないけど、あの抑制剤のお陰で、廓でどうにか過ごせていた
トモ…、今どうしてるんだろう…
オレの、たった一人の兄さん…
あの日別れたきりで、なんの連絡も取っていない
「…宏光？」
名前を呼ばれて、ハッと意識が太輔に向く
真正面にある顔に、ドキッと拍動を打った
「…あ、うん…」
「…何か心配ゴト？」
「逆だよ…、太輔と番えたから、もう他の人へ香りの作用を心配しなくても良くなったな…って…」
番が出来たΩがHEAT時に発する香りは、番った相手にしか影響を与えない、それは番の相手も同じ…、αの太輔が惹かれるのは番のオレだけ…
そう思うと、胸の奥にある種の擽ったさを覚えた
「太輔…」
こんなに近くにいるのに、もっと寄り添いたくて、オレは太輔の肩に頬を擦り寄せた
いい香り…、この香りはオレだけが知ってる香り…、オレだけが知りえる香りだ
心の底から安心していい場所…それは愛した人の腕の中だけだ
物心着いてから、一度も感じたことの無いこの多幸感に、オレは知らず涙が零れた
「どした？噛み跡が痛む？それとも腰、痛い？」
突然泣き出したオレに、太輔が慌てたように腰やうなじに手を当て、焦った顔で覗き込んで来た、
その心配し切った顔に、オレは首を振って答えた
「好きだ…」
「ひろ…？」
「泣きたくなるほど、太輔が好きだ…」
いつからオレはこんなに脆くなったんだろう
胸の奥にいつもあった《孤独》という感情が、涙と共に流れて行くような気がした
これから過ごす時間は、もう一人じゃない…
その事が、本当に嬉しくて幸せだった…
「…悪ぃ、急に泣いたりして…」
指先で涙拭いてくれる太輔にそう言うと、そっとアタマを片腕で頬に抱き寄せてくれた
「いいよ、涙止まるまでずっとこうしてるから…全部流せばいい…」
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まいまい(プロフ) - またまた何やら不穏な言葉が…出てきましたけど…でも2人が幸せそうにしているから先のことは考えないようにします笑ふたりがやっと番えたー！！感動です！！興奮しました〜2人の子供が楽しみで、ちょっと不安です (2020年8月6日 15時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» 頂ければ有難いです！多分藤北泣かせますー、お許し下さいませー！コメ大感謝でーす！ (2019年8月26日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - こっちゃんさん» こんばんは！コメありがとうございます！お返事遅くなってゴメンなさいー、はい！勝手に《オメガ定義》作ってしまいました笑、ラスト展開まであともう少しです、ちょっとSCREAMになると思いますが、メンタル強化はされておられると思うので、最後まで見守って (2019年8月26日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» クリスマスですし！今回のプレゼントはピアスです、みっくん付けてたよなぁと思いまして…、中々にしんどい展開になると思いますが、宜しければ続き覗いて見て頂ければと思います、コメ大感謝でーす！ (2019年8月26日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんばんは！コメありがとうございます！お返事遅くなってゴメンなさい！はい、このシチュ一回入れてみたかったんですー笑、ビリビリhugの進化版でーす、逆だとエモくないんですよねー、分かって頂けて何よりでした、今はラブい藤北をお見せしたいと思います (2019年8月26日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2019年7月29日 23時
