愛を彷徨う人 … ３９ ページ7
「太輔様、どうされました？今日は心ここに在らず、でございますね」
御厨が会議から社長室に戻るなり、聞いてきた
「珍しく議事に付いての鋭いご指摘も無く、覚悟していた役員達が些か拍子抜けしておりましたよ」
お小言と言うよりは、寧ろ楽しんでる顔して御厨がオレを見た
「あ、いや…ゴメン、…でもそうかもしれない…」
「ほぉ、…何か心配ゴトでも？」
社長室に用意してもらってるデスクに座ると、オレはため息をついた
こんな揺れてんじゃ、ダメだろ…
「…御厨…」
「はい？」
「オレがもし、稀代のαじゃなかったらお前はどうしてた？」
「どうしてた…とは？」
「オレを探すことも無く、そのまま兄貴が藤ヶ谷ホールディングスを没落させるのを見ていたか？」
質問の意図を推し量る様にオレを見ていた御厨、そして置いてあるサーバーからコーヒーを二つ入れると、一つを俺に渡してくれた
「さあどうでしょう、太輔様がお生まれになられた時既に診断は出ていたので…私にとって太輔様は生まれながらの後継者、ですので、そうでは無い太輔を想像するのは難しいですね、答えになっていないとは思いますが…」
「そか…」
「太輔様を後継者に…とは、先代の切なる願いでもありました、私の人生は先代の意志を継ぐことで完成します、太輔様に藤ヶ谷ホールディングスをお渡しする、それ以外私の生きていく道はありません」
キッパリと言い切る御厨の強い瞳、いつもなら真正面から見返すコトが出来るのに、今日に限ってはその強さに圧倒される気がして、オレは御厨から目を逸らし、コーヒーを口に含んだ
《名家存続には、その影で支える人間の人生がある…》
「光と闇…か…」
「何か仰いましたか？」
「いや、…あのさ、皆川は御厨がスカウトして来たんだよな、アイツの家は代々執事だったって聞いたけど、そうなのか？」
どこか影のある皆川の姿を思い出し、尋ねると
「そうです、皆川家は初代から長く地元の名士の家に仕えていました、ですが祖父の代でその家が没落して、その後は別の家で働いていたようです、肉親は亡くなった父親だけ、彼は私がよく使っていた老舗ホテルで筆頭コンシェルジュをしていました、執事として彼ほどプロフェッショナルで優秀な男はいません」
プロフェッショナル…確かにそう…
非情とも言える発言も、家名を思えばこそだと言われれば、納得せざるを得ない
でも、甘いと言われてもやっぱりオレは、人として皆川の考えには賛同できなかった
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まいまい(プロフ) - 皆川さんが改心してくれて本当に良かった…2人がこのまま幸せに暮らしていってほしいです。ひろの優しさに癒されます。まだまだ続くみたいなので続きも楽しみにしています！ (2020年8月6日 8時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんにちは！コメありがとうございます！アハハ、書いてる方もゾワゾワしながらポチしております、そしてあっという間の移行です笑笑、終わらない…ホントにいつも長編になってしまって申し訳ございません、宜しければ続き覗いて見てくださいませ！コメ大感謝です！ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
pochi(プロフ) - 目には見えないけど、もう一生消えない番の証…だから泣かなくていい…(*´Д`*)ﾊｩ こんなこと言われてみたい… (2019年7月29日 12時) (レス) id: 0d96846f1a (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - のこさん» 胸アツです、10周年を国立でお祝い出来たら何より幸せですねー！藤北の安定っぷりにホッとしております笑笑、14年目に改めてこのGのファンで良かったと思いました、一緒に応援しましょうね！コメ大感謝です！……あ、まもなく移行です… (2019年7月28日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - のこさん» サンドさん強火キス担ですよねー、たいぴーすふるはコチラはタイムフリーでも入らないのでツイとかアメブロで確認しております、ホントに有難いことですー、濱口さんに育てられたぴよぴよキスマイが、サンドさんで羽ばたき…感涙…、オリンピック関連にも参加！ (2019年7月28日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2019年6月11日 18時
