愛を彷徨う人 … ５６ ページ25
「ああ、…母親が、どんなに宏光を探して欲しいと頼んでも許して貰えなかったと話していた、幼い宏光には、置き去りにされた《廓》にしか、生き延びる場所は無かったんだ…」
「そんな…バカな…」
いつも冷静で滅多に感情を乱さない皆川が、眉を顰め、顔を歪めている
なぜここまで宏光の過去に動揺するんだ…？と訝しく思いながら、オレは再度釘を刺す為に皆川に向き直った
「とにかく、もうこれ以上オレと宏光のコトに口を出すのは止めて貰いたい、確かにこの家の執事はお前だけど、プライベートまで管理される筋合いはない、いいな？」
問いかけても、オレの言葉などまるで耳に入っていないような皆川に、オレは不安すら覚えた
「皆川、聞いてるのか？」
少し強めに問いただすと、意識がオレに向いたようで、ハッと目を見開いた
「あ…、はい、畏まりました…、無論出過ぎた行為についてはお詫び申し上げます、ですが当家にお仕えする身として、見過ごせない事柄には、今後も進言申し上げることはどうかお許しください」
そう言ってオレに頭を下げる皆川からは、確かに真摯な忠誠心が読み取れる
「…必要以上の干渉は無用だ」
それだけ伝え、オレは宏光の部屋に戻った
まだ寝てるかも…と、ノックをせずにドアを開けると、思った通り《すやすやTime》の宏光…
二人ともそのまま寝落ちしたから、寝返りで肌蹴たブランケットから肩や背中、細い足が見えていた
静かにベッドの端に座り、襟足で隠れてる項にそっと触れた、まだここに《番の証》は刻めない、次のHEATはいつ来るんだろう
《番の証》は、αとΩのみが刻める絆だ
結べば宏光は、身も心も一途にオレだけを求めてくれる、タイミングさえ合えば、オレ達の次の命を育むことも出来る
無限に溢れてくる愛しさで、溺れてしまいそうだ…、溺愛という感情を初めて知った
「…ﾝ……」
鼻に抜けるような吐息に合わせ、閉じた瞼が薄らと開いた
「…起きた…ひろ…？」
話しかけると、枕に顔を擦り付けるように身動ぎ、ゆっくりとオレの方に顔を向けた
「たい…すけ…？」
「目ェ覚めた？」
「…ん……」
微睡みから抜け出そうと、目や顔を掌で擦る仕草は、やっぱりリスとかハムとか子猫を思い出させる
なのに…さっきまで腕の中で切なく鳴いていた宏光は、オレの感情全てを凌駕する程の色香を放っていた
「…お手上げだ…」
「…なにが？」
「どんだけオレから好きを奪ってくの？」
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まいまい(プロフ) - 皆川さんが改心してくれて本当に良かった…2人がこのまま幸せに暮らしていってほしいです。ひろの優しさに癒されます。まだまだ続くみたいなので続きも楽しみにしています！ (2020年8月6日 8時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - pochiさん» こんにちは！コメありがとうございます！アハハ、書いてる方もゾワゾワしながらポチしております、そしてあっという間の移行です笑笑、終わらない…ホントにいつも長編になってしまって申し訳ございません、宜しければ続き覗いて見てくださいませ！コメ大感謝です！ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
pochi(プロフ) - 目には見えないけど、もう一生消えない番の証…だから泣かなくていい…(*´Д`*)ﾊｩ こんなこと言われてみたい… (2019年7月29日 12時) (レス) id: 0d96846f1a (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - のこさん» 胸アツです、10周年を国立でお祝い出来たら何より幸せですねー！藤北の安定っぷりにホッとしております笑笑、14年目に改めてこのGのファンで良かったと思いました、一緒に応援しましょうね！コメ大感謝です！……あ、まもなく移行です… (2019年7月28日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
GAYASAKURA(プロフ) - のこさん» サンドさん強火キス担ですよねー、たいぴーすふるはコチラはタイムフリーでも入らないのでツイとかアメブロで確認しております、ホントに有難いことですー、濱口さんに育てられたぴよぴよキスマイが、サンドさんで羽ばたき…感涙…、オリンピック関連にも参加！ (2019年7月28日 20時) (レス) id: 3b1ef006c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：GAYASAKURA
| 作成日時：2019年6月11日 18時
