Because I Love you....2 (ページ28)

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＿＿＿宏side.

はじめてみる、Aの女の顔。

ことが終えて、大きく息を吐いて

「おしまい、満足か？これで。」

平常心を装って照れ臭そうに笑ったあと、直ぐにズボンを履いてテーブルの上に置いてあったタバコを手にして火をつけた。
心を落ち着かせる為に。

『終わったらすぐタバコ吸うんだ…宏』

布団に包まって俺を見てそう言うAに

「んぁ？うるせーな、早く服着ろ」

バツが悪くて床に散らばったAの服を集めて放り投げた。

最中、唇にキスすることが出来なかった。
それ以上のことをしておいてなんだけど……
キスすることで言葉では、伝えられない想いが伝わりそうな気がして出来なかった。

心だけ手にすることが出来ずに、〝俺の物″という独占欲や支配欲だけが残った。

それから夕飯を一緒に食べて帰宅する時にAは、玄関先で俺に不満を漏らした。

「じゃー、約束は、守れよ」

『あー、次は、好きな人とってやつ？』

「ぁあ」

スウェットのポケットに手を突っ込んでAを見つめた。
俺、今いつもみたいに〝兄貴″の顔できてるのか？

『ねぇ…』

「あんだよ」

『私ひとつ不満があるんだけど』

「今度は、なんだよ」

Aの言葉にやっと落ち着きを取り戻してきた俺の心臓が再びザワつきはじめる。

『宏なんでキスしてくれなかったの？』

「あ？」

『やってるとき、唇にキスいっかいもしてくれなかった。』

そう言われて

「…あれだよ…、本命に？義理立て」

そんなこと1ミリも思ってないけどとりあえずもっともらしい事を言ってみたけど

『キスもちゃんとしてくれなきゃ困る』

Aに通用するわけもなく

「んで困んだよ」

って苦笑いするしかない俺。

『だって、初めて好きな人とする時にキスだけ下手だったらおかしいでしょ』

〝わかった、わかった。″

そう言ってAの顎をクイッと上に向けた。
言葉じゃ語れないけど、唇で語れたら…ってキスすることを決心した。

様子を伺うようにただほんとに軽く触れるだけのキスをすると、Aは、なんだか不満そうな表情を浮かべる。
手を頭に回して引き寄せて唇を割ってAの口の中に侵入した。