先輩と私(Ki) (ページ50)

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＿＿＿you side.

「俺さ、Aが彼氏と別れたことも本社いるときは、知らなかったからさ。」

『…………………』

「返事は、全然、急がないから。考えてみて欲しい」

『………は、い。』

「緊張した…、ははっ」

そんな風には、全然見えなかったけど。
でも正直ちょっと嬉しい。
藤ヶ谷先輩に想ってもらえてることが…。

「あのさ、もしよかったらなんだけど。
俺の知り合いで不動産関係の仕事してる人がいて、このマンションすげー安く借りれるんだけど、ここに引っ越して来ない？」

『え？』

「流石にやっぱり今のマンションじゃ、怖いだろうし。
だからって北山の家に住むのは、良くないと思うんだ。
だから引っ越すお金の心配してるならそこらへんも俺が交渉してあげるからさ。」

確かに…

このまま北山先輩の家に居候させてもらって都合のいい女に成り下がるのは、嫌だし。

『あの…じゃあお願いしてもいいですか？』

「もちろん！連絡しておく。早急にした方がいいもんな」

『そうですね…できたら…』

「それまで俺の家に住む？」

『へ？』

「あ、勿論俺は、その間友達の家に住むから。
Aひとりで自由に使ってもらって構わないよ？」

『そ、そんなっ！それは、ダメです』

「でも北山の家に住むのは、心配だし。なにかあってからじゃ遅いよ？」

『だいじょ…キャアッ』

〝大丈夫ですよ″って言おうとしたら藤ヶ谷先輩に突然両手を捕まれて押し倒された。

『ふ…「こんな風になって逃げ出せる？」』

抵抗しようにもビクともしない藤ヶ谷先輩の手。

「このままやられちゃうかもよ？」

『…北山先輩も流石にそこまで…』

「本当の北山知らないから、Aは。」

『…………っ、』

本当の北山先輩って？

〝ごめんな、痛かったよな″って私から手を離して退けた藤ヶ谷先輩は、

「体の関係を持った時点で北山の目的は達成されて終わりだよ。
あいつの言動に惑わされない方がいいよ？」

元カノさんみたいなことを言う藤ヶ谷先輩の言葉に妙に納得した私は、コクリと頷いた。