Chapter11・・魑魅 ページ13
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「お疲れ様でしたー」
「ありがとうございました！」
「では失礼しまーす」
不意に周りがガヤガヤと騒がしくなり、リハーサルが終わったのだと感じ取れた。スタッフさんが機材を運び、たまにガタンと壁にぶつかる音がする。
「え、まだ居ったん？」
後ろから目的の人物の声が聞こえ、私は慌てて立ち上がる。鈍っていた体を思いきり動かしたせいか、腰がゴキッと鈍い音を立てて鳴った。
「うわ、今の音相当やばいんちゃう？」
『んー意外と大丈夫みたい』
2時間前も一緒にここで話していた志麻は、汗を拭いながら私の傍に寄ってきた。
「ここで何してるんw」
『志麻を待ってた。』
「…へぇ、」
面白そうに志麻の瞳が光を反射させた。一般男性の中では割と身長が小さめな彼も、私と並べば普通に私よりも高い。
「今うらたさんシャワー浴びとるし、時間ならあるで。そこ座ろうや。」
『うん、ありがとう』
志麻に促され、2人並んで椅子に座る。
恐らくリハーサル後で暑いであろうと思い、傍のリモコンを手に取り気温を何度か下げた。
「うわ、めっちゃ風直撃するww」
『あ、ばれた？』
「いやお前のせいかっ！」
少し茶番を広げてから、本題に入ろうと私は手を握る力を強める。だが頭上でクーラーの風の音がﾋﾞｭｰﾋﾞｭｰ鳴っていて、それが何処か可笑しくて緊張が緩まる。
『あのさ、志麻』
「ん？」
『さっき志麻、私は今も渉が好きだって言ったでしょ？』
「うん」
『なんで、そう思ったの？』
志麻は私の言葉に困ったように眉尻を下げ、20秒ほどでやがて真剣な顔つきに戻る。さっきまでの揶揄い半分の顔とは、まるで正反対だった。
「Aは、明らかにうらたさんに対してだけ表情が変わるやろ？俺とか坂田には今みたいな顔やけど、うらたさんの前では何処か緊張していて、けど頬の筋肉が緩んどる。」
正直、びっくりした。
「その顔を作らせられるのはうらたさんしか居らん。俺や坂田がどんだけ頑張っても、結局はうらたさんと居るのが一番の幸せなんやろうな、って思ってる。」
それは、自分でも自覚がなかった。
私の隣にはいつも渉が居て、恋愛や結婚を通り越して大親友みたいな感じなのかもしれない。
『ねぇねぇ志麻、』
私が志麻に呼びかけると、彼は綺麗な顔を上げて私と視線を合わせてきた。
『私、恋愛感情だったら志麻が好きだよ。』
今度こそ、本音を言った。
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ハクト(プロフ) - 奏斗さん» コメントありがとう！覚えてるよ、久しぶりだね！奏斗の作品こそ文の表現が綺麗で、とても勉強になります笑 毎日更新していく予定だから、良ければまた読みにきてね！(*^^*) (2020年7月2日 22時) (
レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
奏斗(プロフ) - 展開が読めないところが面白い！惹かれた！更新頑張って！(思わずタメで話しちゃったけど、覚えてないよね、ごめんなさい) (2020年7月2日 22時) (レス) id: 2650d5f3fb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - 絵が上手くなりたいさん» 完全に打ち間違えでした、ご指摘ありがとうございます！ (2020年7月2日 18時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
絵が上手くなりたい(プロフ) - 消防車？救急車じゃなくて？(きつく聞こえてたらすみません)夢主ちゃんいい性格してる (2020年7月2日 18時) (レス) id: e48c7240eb (このIDを非表示/違反報告)
ハクト(プロフ) - あかりさん» コメントありがとうございます！読者の皆様に楽しんで頂けるよう、今後も精進してまいりますので、楽しんで頂けたら本望です(*^^*) (2020年7月2日 12時) (レス) id: 2aaa8e08bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハクト | 作成日時：2020年7月1日 22時
