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いつもより、少し気合を入れてメイクをして、待ち合わせ場所に、行けば見慣れた志麻の姿は見当たらない。
まあ、もう少し待ってれば来るでしょ。
壁に軽くもたれてスマホを触っていれば、聞きなじみのない方言が耳に入った。
「こんにちは。」
「…どーも。」
…声も、顔も見覚えないよね。誰だろ。めっちゃニコニコされてるんだけど…ナンパ?
少し睨むように見てしまったのは許してほしい。ていうか、ほんとに誰。顔はかっこいいほうだし、会ったことあれば忘れないと思うんだけど…。
「あー、ごめんごめん、そんなに警戒しやんといて?」
「…初めまして、ですよね?」
「せやね。」
にっこりと笑う、相手に警戒心が強まる。…何だこの人。
「ごめんごめん、そんなに睨まんとって?」
「…。」
「あ、おった!ちょ、センラくん先に行かんといてや…。」
…志麻、の知り合い?ごめんって、なんて笑ってるし。
「自己紹介が後になったけど、志麻くんの友達のセンラです。はじめまして。」
「…はじめまして。」
第一印象、変な人。
「俺がコンビニ行っとる間に消えるんやめてや。探したやん…。」
「志麻くんの彼女見たかったんやもん。写真では見たことあるけどさぁ。坂田は知ってるし。」
だから声かけれたのか。志麻いないのに、私だって分かってたもんね。
「…そんな、特別物珍しいわけでは無いと思いますけど。」
「…おもろい人やね、彼女さん。」
少し驚いて目を開いた後に、笑い始めたセンラさん。どこがおもしろかったんだろ。
いつからの友達かは知らないけど、志麻だったら彼女の1人や2人前にもいるだろうに。…もっといるか。
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