Liar Smile！６ (ページ43)

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89-4 (GD) 募る不安ページ43

辛いのはAの筈なのに

痛みを抱えてるのはAの筈なのに

「それなのに私は思い出すのが･･･怖いっ･･･みんなに辛い事を背負わせといて･･････このまま思い出さずにジヨンやみんなと笑ってたいって･･･最低なことばっかり頭に浮かぶのっ･･････」

Aはいつも人の事を考えて

泣くんだ。

「怖い･･････よ･･････思い出すのも･･････そんな風に誰かを傷つけて笑ってたいって思う自分も･･･怖い･･････」

俺だって＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

怖いんだ。

もし全てを思い出したら

もう二度とお前は戻ってこない気がして

「ｯ･････････なんか言ってよ･･･いつもみたいに馬鹿だなって･･････そんな事で泣いてんなって･･･言ってよ、ジヨン･･･」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿怖くて堪らないんだ。

今にも壊れそうなAを抱きしめて

「ンなこと･･････言えるかよ。」

「ﾋｸｯ･････････っ･･･」

「俺が全部引き受けてやるから。その傷も過去も全部･･･お前が抱えきれないなら俺が全部引き受ける。思い出すのが怖いなら･･････その記憶が辛くて堪らない記憶だったなら･･････それを塗り替えるくらい俺がお前を幸せにする。どんな事があってもお前が泣いてる時、こうして･･････抱きしめられる距離にいてやるよ。」

心のままに言葉にしたんだ。

重なる唇から涙の味がして

「最後のだけは･･･ｯ･･････忘れないでね･･･」

「全部忘れねぇよ。」

Aはそう言ってまたキスをした。

.

.

.

それから俺達はただ波打つ海を眺めてて

「･･････今日はジヨンの隣にいたい。」

夜になると海には綺麗な月が浮かんで

ただただゆっくり流れる時間を隣で過ごした。

《おかえりなさいませ、ジヨンさん。そちらは･･･》

「今日はもう下がっていい。」

《かしこまりました。》

いつもAが降りる駅とは逆方向の電車に乗って

「ねぇ、ジヨン･･･今の人ｯ･･･ﾝ･･････」

「気にすんな、使用人。」

「き、気にするよ！」

俺の家に連れ帰り

部屋に入るなり、唇、頬、首へと

キスを落としてく。