Liar Smile！６ (ページ42)

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89-3 (GD) 募る不安ページ42

だけど＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

Aに出会って俺は変わったんだ。

大切なものを守りたいと思うようになって

《次は〇〇･･････》

「おい･･････A？起きろよ、ここで降りるんじゃないのかよ。」

「ん･････････あ！！！次、降りるよ！」

「俺がそう言ったんだけど。」

「嘘？そうだったの？」

「ククッ･･････寝ぼけ過ぎ。」

こうして隣で笑っててほしくて

こうして隣で笑ってたいと思うようになって

「バスも乗るのかよ ; ; ; 本気でどこ行く気だし。もう電車も１時間乗ってんだぞ。」

「次はバスで１時間半くらい掛かるかな？」

「はぁ？帰る。面倒い。」

「あー！！！ダメダメ！」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿俺は

お前の為なら何だってやれそうな気がするんだ。

その反面、不安になる。

電車に揺られ、バスに揺られ

「う･････････み･･･かよ。」

「んー！！！！きもちー！」

たどり着いたのは海。

秋風がもう肌寒く感じる中で

(･････････なんで･･･)

「なんで海なんか来たかったんだよ。」

「なんとなく？誰も居なさそうじゃん。」

「なんかあったんだろ。」

「何もないって(笑)心配性だなぁ。海飛兄みたいだよ？hh 」

Aは俺を見ようとしないで
ただ背中を向けて海を見つめていた。

その背中は泣いているようで

「A。」

俺はゆっくりその手を引いて振り向かせた。

Aの瞳は揺れていて、今にも涙が溢れそうで

「言えよ･･････ちゃんと全部聞くから。」

「綺麗な･･････ものが見たかったの･･･」

「それで？」

「今朝･･････ふとした瞬間に思い出したの。あの頃、私は病院に入院してて･･･その頃の記憶なんだと思う。あの俐久が･･････泣いてた。私の名前を呼んでベッドに顔を伏せて泣いてたの。」

話すたびに、一つ･･･また一つと涙が零れて

「きっと私が忘れてる何かを俐久は、海飛兄やかなちゃん、パパやママは知ってると思うの。言わないのは、教えてくれないのはきっと、それが私にとって辛い事だから。私は･･････忘れてるから･･･何も辛くない。だけど、それを覚えてる人達は？きっと私なんかよりもずっと辛いっ･･･」

Aはそう言ってその場に膝をついた。