Liar Smile！２ (ページ25)

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20-1 (奏多) 壊れてしまわぬ様にページ25

俺は･･････

動物も

子供も

嫌い。

弱くて小さくて･･････
ほんの少し触れただけで壊れてしまいそうだから。

だから自然と【女】という生き物も嫌いだった。

華奢な体も

細い腕や足も

脆い心も･･････

触れるのが怖いから。

.

.

.

『あ、おかえり。』

俐久『おかえりって･･････もう五時だぞ ; ; ; 何？随分早起きじゃん。低血圧のお前が。』

『起きてたんだよ、俐久に聞きたい事があったから。』

朝方帰ってきた俐久は
俺の言葉に何かを察したように
ため息混じりにキッチンに向かい

俐久『･･････様子変だったのか、あいつ。』

缶ビールを手に戻ってきて
勢い良くそれを飲む。

『いつも通り(･････)だよ。』

俐久『だろうな。聞きたい事って情報提供者の事だろ？何企んでんだよ。』

『(俐久って････)馬鹿っぽいけど馬鹿じゃないんだよね。』

俐久『てめぇ、心の声口に出てんだよ (怒) 』

一つ上の俐久を兄と思う事はあんまりなくて

『(寧ろ)他人だったら絶対関わらないタイプ。』

俐久『お前いい根性してるよ、本気(マジ)で (真顔) 』

正反対な性格だから
幼い頃からお互いに感心も干渉もなかった。

俐久『何企んでるか知らねぇけど、あいつは普通の高校生活を送りたいんだ。口出し過ぎるのは･･････ヨロシクないんじゃねぇーの？』

『だからだよ。』

俐久『あ？』

『元々、あの高校に入れるのは反対だったんだ。でも夏奈さんが荒療治も一つの手だって言うから････仕方なく折れただけ。その情報提供者がどういうつもりでAに近づいてるのか知りたいから教えてよ。』

そんな俐久と俺がまともな会話になるのは
いつからかAの話をする時だった。

俺の言葉に俐久は頭を掻き

俐久『･･････興味本位だったら？』

そんな事を言うから

『･･････潰すよ。死んだ方が楽だって思うくらいに･･･ね。』

俺の中の冷たく暗い部分が顔を出した。

昔から･････････

俺の中にある冷たい闇の部分は

自分でも止められなくなる時があった。