Liar Smile！２ (ページ11)

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16-6 (俐久) 守りたいものページ11

「Aちゃんはいっつも海飛君と買い物にきてくれるのよ～。ホント、出来た子よねぇ、海飛君 ♪ ご両親に変わってこーんな小さい頃からAちゃんの面倒見てたんだもの。」

『･･････海飛は･･･昔から出来た兄なんで。』

(また･･････だ。)

おばさんの話に自然と眉を顰め

俺の心はまた黒くドロッとした感情が支配してく。

この苛立ちはどこから来る？

「ホント、立派よね～。Aちゃんもご飯の用意したり、海飛君似ねぇ ♪ 」

『･･････ほら、行くぞ。』

まるで俺の存在を否定するように聞こえて
その場から逃げ出そうとした瞬間

「私はね、海飛兄より俐久兄似だよ？またね、おばちゃん ♪ 」

Aはそう言って笑っていた。

.

.

.

それから色んな所に寄って

俺の両手は手荷物でいっぱいになった。

帰り道、Aの機嫌は何故か直ってて

『････････････お前って俺に似てんの？』

気がつけばそんな事を聞いてた。

振り返ったAは不思議そうに首を傾げてて

A「今更？」

『は･････？』

A『だって海飛兄は頭良くて何でも出来るけど、ちょっと言葉足らずで不器用でしょ？かなちゃんは不思議系？何考えてるか分かんないけど、案外負けず嫌いっていうか熱い所あるんだよね。』

なんて言う。

『･･･で、俺とお前はどこが似てるわけ？』

A「んー･･･、思った事は口に出す所？後は口が悪くて、飽きっぽい所とか？」

(･･････悪口にしか聞こえねぇ。)

A「あっ！朝が苦手で、一旦寝ると起きない所とか？」

『(何、期待してんだか俺は。)･･････もういい。』

Aから出てくる言葉に呆れて

横を通り過ぎて前を歩き出すと

A「後は･････････兄妹想いな所。」

背中越しに聞こえてきた言葉に
立ち止まって振り返った。

Aは俺の方を真っ直ぐ見つめてて

優しい･･････笑みを浮かべてたんだ。