たくさんの缶詰。【wrwrd！】短編集 (ページ27)

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紅茶。osmn. ページ27

｢失礼しま～す｣

少し訛っているが可愛らしい口調とともに開かれたドアから入ってきたオスマンに目を向ける。

手には彼が紅茶を淹れたのであろうカップを持っていてそれを私に差し出してきた。

｢ありがとう｣

｢別にええよ～まだ終わらなさそうなん？｣

｢あと30分あれば確実に終わるかな。｣

私はそこまで伝えると暖かさのあるカップに口をつける。

ノー残業デーという制度があるからといって残った仕事がなくなるはずがない。

だからこうやって今現在自室のパソコンの目の前に作業していたわけだが……

｢はよ終わらせてな｣

私が紅茶を喉に通したのを見計らって彼が呟くように言った。

オスマンがこんなこと言うなんて珍しいなと少し呆然としてしまう。

普段はこんなこと言わず私の仕事が終わるまで待ち
共有のベッドに一緒に入り就寝という流れなのだが……

もしかして眠いのだろうか。

｢眠たいなら先寝てても大丈夫だよ？｣

｢いや、放置プレイされるよりも構ってもらいたいだけやで｣

すると彼は顔を近づけて軽く唇を合わせてきた。

｢じゃあリビングで待っとるからな。｣

ここまでの流れに脳が追いつかず呆然としている私から離れていき彼は部屋を出ていった。

とりあえず無駄だとは思うが平常心を取り戻そうと先ほどの紅茶の二口目を飲む。

いつまで経っても止まない鼓動を気にしながらも私は早急に仕事を終わらせようと手を動かし始めた。