たくさんの缶詰。【wrwrd！】短編集 (ページ24)

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現実世界と夢の世界。 zm. ページ24

今日も私は夢に浸かる。

起きて

軽くご飯を食べて

寝る。

毎日毎日これの繰り返しで

毎日毎日同じ夢をみる。

同じ夢をみる、というのは語弊があるかもしれない。

毎回同じ人物と同じ世界で一緒にいる

しかし話してる内容とかは毎回違う

そんな夢。

人物は緑色のパーカーに茶髪のゾムという男で

世界は重力が無く全てが四角いブロックで出来ている世界。

あぁ、また、眠くなってきた。

｢A、はよ起きろ｣

そんな声が聞こえて目を開ける。

また私は夢を見ているのか

｢おはよう……｣

｢おはよ、またよう寝とったな｣

今日は南の方へ進んで狩りに行くぞ！と元気よく言うゾムから差し出された手を掴み立ち上がる。

ふと、私は疑問を持つ。

私は現実世界と夢の世界の二つがあるが
ゾムはどうなのだろうか。

ゾムにも世界が二つあるのか
はたまた夢の世界だけなのか

｢ゾムは眠った時に夢を見る？｣

私がポツリと言うと懐かしそうな顔をしながらゾムは言う。

｢最近は昔の夢を見るなぁ。

まだ世界が俺ら以外に人間がいて

まだ世界が四角くなくて

まだ世界で普通に暮らせてた頃の夢。｣

それはまるで私の現実世界のような夢だな。

あれ、

私は現実世界で軽くご飯を食べると言ったが

それはどこから出てきてるの？

彼の言う夢とリンクさせるともしかして

｢A？どうした？｣

｢えっ、あっなんでもない。狩りに行こ｣

彼の声で我に返る。

今は何も考えず夢を楽しもう。

(それは現実なのか夢なのか。)
(それとも両方夢なのか。)