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✯ ページ9
「……っはぁ、はぁ……」
ふざけんな。なんで、クインクスなんて無茶やってんだよ。
なんで、俺の知らないとこで無茶やってんだよ。
そのままでも十分強いくせに。
＿＿俺なんかよりもずっと、強いくせに
自分の呼吸が荒くなるのが分かる。
そんなこともお構いなしに、目の前にいる女は俺の名前を呼んだ。その声色は、まるで愛しい人を想っているような声で。
彼女は、悲しそうな表情をしていた。
(そんな顔されたら、俺だって……)
本当は、俺だって姫さんのことを__。
「__っ！」
彼女と目があった瞬間、俺は窓枠から飛んでいた。
「っ……」
(姫さん。俺はやっぱり__)
(……タキザワくん)
「はぁ……はぁ……っ、」
(……タキザワくん)
「姫サン、俺は……っ」
俺は、彼女のことが__。
「__好きだったよ」
この言葉は、きっと届いてない。
「……はは、カッコ悪りぃ」
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