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「秘川上等！ご無事ですか！？」
滝沢くんがいなくなってすぐ、部下たちが駆け寄ってくる。
「ああ、問題ないよ」
傷口を押さえながら立ち上がると、よかったと安堵の声が聞こえた。
「あの、秘川上等。滝澤は……」
「さあね。こちらに戻ってこない以上、駆逐する他ない。…自分は彼の捜索に当たる。お前たちはここに残って、周囲の安全確認をしておいてくれ」
「了解しました」
(……さて、)
彼のことは気がかりだが、まずは自分と、周りの身の安全を確保しなければならない。私は、その場から立ち去った。
(…あっちの方向には、クインクス班の面々が居た筈。＿＿普通ならば、助成に行くべきだろうが…)
「……こちら、秘川A。正体不明の喰種と遭遇後、取り逃がしはしたが、一応は退けたといっていいと思うよ。
レートはS以上が相当と考えている。尚、そいつの逃走経路の先には佐々木一等を含むクインクス班の面々が居るだろうね。
＿＿和修准特等、以上を踏まえて指示を仰ぎたいが、いかがかな？」
「……秘川上等。…そのまま、建物内の捜索を続けろ。助成は必要ない」
「…了解。……オークションの客、という講釈で大丈夫かな？」
そのまま通信が切れ、ため息をつく。
御託はいい、さっさと行け。そういうことだろう。
(鈴屋准特等あたりが居れば、百の喰種がいたとしても一に同じだろう)
まさか、自分ひとりで大量の喰種を相手にするなんてことは勘弁しておくれよ＿＿
そんなことを考えつつ、鈴屋准特等と瓜江二等が来るまでラブカを振り回し、羽赫を撃ち続けた。
二人から好奇と嫉妬の目で見られたのは、言うまでもない。
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