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✵自問自答、下らないですね。 ページ14
『……姫さん』
あの時の彼の声が耳から離れない。
あれは、間違いなく自分の知っているタキザワくんの声だった。
彼が自分に向けてくれた笑顔が脳裏に浮かぶ。
「……ダメだな、これは」
もう、引き返せない。
「……さて、今日も仕事に励むとしよう」
喰種捜査官として。
人間として。
そして__。
「___人間として、か」
クインクスである自分が、か。
今いや、更被害者ぶってどうする。クインクスの施術に同意したのはほかでもない自分だろう。
それに＿＿喰種である彼の幸せを願っているくせに、人間として線を引く資格が自分にあるか？
どこまでも自分本位で、守りたいものだけを守っている。
そんな自分でも良いのなら、もし、許されるのなら、その時は＿＿＿
(タキザワ、くん)
「……我ながら、下らない」
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