０４，化学は全てを解決する？ ページ4
。
「失礼します
クラレ先生はいらっしゃいますか？」
あれから桃瀬くんと別れ、無事に理科室に着いた私。
ドアから声をかけてみても何も返事がないので、そのまま理科室に入る事にした。
案の定誰もいなかったので、教卓のの上にレポートを置き、退出しようと扉に手をかけた瞬間。
突然目の前のドアが開き、びっくりしたてつい後ずさった。
そして、そのドアを開けた人物は素早い動きで教卓の裏に隠れたようだった。
……ええと、どういう事？
何もかもを不思議に思った私は、教卓の裏側にいるであろう人物に声をかける。
「どうしたの？」
「……誰だか知らんけど、一生の頼みや！
クラレ先生が僕のこと探してても、絶対にこの場所、バラさんといて！」
「え、うん……」
クラレ先生がこの人の事を探している、という訳だろうか。
……一体あのクラレ先生を怒らせたって、何をしでかしたんだ、この人は……！
暫く乗るか乗らないか悩んでいると、理科室に誰かがやってくる気配がした。
「鬱君〜」
何やら怪しげな液体が入っているフラスコを持ったクラレ先生のようだ。
……いやいやいや、色おかしくない？
……もしかして、劇薬だったりしないよね？
クラレ先生だったらワンチャンある可能性が頭に浮かぶも、すぐに消す。
怖いから、考えないようにしよう……。
「おや、A君じゃないか
今、鬱君を探してるんだけど、見てないかい？」
「その、うつ君？って人は知りませんが、ここには私しか来てないはずですよ
あっ、後これ、うちのクラスの理科のレポートです」
一応悩んだが、庇う事にして、クラレ先生にレポートを渡す。
レポートを受け取ったクラレ先生は、首を傾げつつも理科室から出て行った。
少し緊張していたのか、硬くなっていた肩の力を抜き、深呼吸をする。
そのまま後ろを振り返り、例のうつ君とやらに話しかけた。
「もう行ったよ」
「ほんまに……？」
「嘘だと思うなら、自分で確かめてね」
私の言葉に恐る恐る教卓から出てきて、辺りを見渡すうつ君。
ようやく安心できたのか、私に向けて話しかけてきた。
「おおきに、ほんま、助かったわ……って
あ〜名前、言っとらんかったよな？僕の名前は鬱島大、言います」
「私は神崎A
ええっと、鬱島くんは三年生だよね？多分クラスは一回も一緒じゃなかったはず、だよね？」
「……僕、ちなみに二年ですわ」
＿＿＿＿＿＿
まさかの後輩
続く
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作者名：フィナンシェ | 作成日時：2022年11月18日 22時
