０２，席替え ページ2
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新学期が始まってから一週間。
そろそろ新しいクラスにも慣れて、友人も増えてきた頃、最初の席替えが行われた。
どうやらこのクラスの担任はクジで決めているらしく、いそいそとクジを机から出している。
近くの友人達と席が近いと良いね〜なんて話している合間に、どうやら自分の番が回ってきたようだ。
引いた紙を広げてみると、そこには「32」という番号が。
黒板を確認してみると、どうやら一番後ろの窓側の席らしい。……おお、主人公席だ。
友人と席の確認をしながらも、数字通りに机を動かしていく。
どうやら友人たちとは離れてしまったのだが……これはこれで、新しい人と交流を深めるきっかけになる。
さて、隣は誰だろうか。
クジで決めているので男女どちらともあり得るのだが……できれば女の子がいいな。
というように考えていると、隣の席の位置から物音が聞こえた。
どうやらお隣さんが決まったらしい。早速挨拶をしようと、隣に目を向けて明るく声をかけた。
「これから数ヶ月間、よろしくね」
「……ども」
なんとビックリ。隣の席の場所にいたのは、有名な桃瀬くんだったのだ〜！……なんちゃって。
桃瀬くんといえば、生徒会に所属していて、文武両道、さらには容姿端麗だと聞く。
……私が霞んで見えるぐらいだ。
兎にも角にも、私が一方的に向こうを知っていても、相手は私の事を知らない訳で。
まだ、全員の席が決まっている訳じゃないけど、自己紹介をしようと声をかける。
「初めまして……だよね？
私の名前は神崎A。改めて、よろしくね」
「……そうやな、初めまして、やね。神崎さん……よろしくな
あ〜、知ってるかと思いますけど、一応
名前は桃瀬豚平、生徒会で副生徒会長やってます」
案の定聞いたことのある名前だったので、間違っていないようで、少し一安心。
……しかし、なんというか、想像通りクールな人だ。
副会長って言うのも頷ける。書紀とかも似合いそうだ。
さてさて、しばらくはこの席な訳だから、少しでも桃瀬くんと交流を深めることにしよう。
「よかったら、桃瀬くんって呼んでもいいかな？
暫くは隣の席だし、仲良くなりたいな
あと、同級生なんだし、敬語なしで大丈夫だよ？
……あっ、ごめん、初対面でガッツきすぎたよね」
「いや、大丈夫。……じゃあ、お言葉に甘えて、敬語外させてもらうわ
数ヶ月だけど、神崎よろしくな」
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隣の席の桃瀬くんは、クールな性格
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作者名：フィナンシェ | 作成日時：2022年11月18日 22時
