インクが4滴 ページ4
「あんた鞄は！？」
人通りも気にせず母は声を張り上げる。
「ちょ、母さんうるさいって！」
「あんたのがうるさいわ！まさか忘れてきたの！？」
「だからこれには深い訳が…」
家の前でギャイギャイ騒いでいると誰かが少し掠れた声で
「あの…」
と言った。
「お、さっきの少年…どうしたの？」
「これ忘れ物…ですよね。」
そういって少年は汚い鞄を差し出した。
「あ〜！俺の鞄！ありがとう！」
ぱっと受けとるとゴッという音と共に鈍い痛みが頭を走る。
「いっでぇ！」
「も〜あんたってやつは…ごめんなさいねぇ〜！うちのAが〜」
「いえ、大丈夫です。」
母さん声変わりすぎだろ…つかじんじんする…
「よかったらお礼させてくれないかしら。時間とか大丈夫なんだったら少しゆっくりしていかない？」
「お気遣いありがとうございます。でも用事がありまして…」
「あらそうなの…ってあなた折中？」
「そうですけど…」
ああ…少年が母の勢いに押されていく…ごめんよ…
「本当？Aと同じとこじゃない！迷惑じゃなかったらAに何か持たせるわ！」
「…じゃ、じゃあそれで…すいません急いでるので！」
返事をするやいなや少年はパタパタと駆けて行った。
「母さんのおせっかい〜！」
ゴッ… 鈍い音が響いた。
そして翌日
「A！あんたこれ持って行きなさいよ！」
「はいはーい」
朝って眠いし忘れ物しがちだよな〜
…あれ？
「あ」
詫び品持ってきたけど鞄忘れたｯｯｯｯｯ！！！
鞄「俺って忘れられがち？？」
終わった…もう駅着いた後だし…
…これは仕方無いよな…
ぐっと手に力を込めると全身がキラキラと光だしインクに覆われる。
これが「ショクワンダー」
なんか…おててがのびてかべとかにひっつくやつ。
サメライドとは違って入り組んだ場所でも使えるので好きです(突然の告白)
Oh〜！this is my hausu！
え？ハウスの綴りが違うって？
まぁこれはそういう問題だからね…皆さんに解いてもらおうと思うて...なんかすいません。
がっという効果音と共に鞄をひっつかみもう一度ショクワンダーを発動する。
「さっさと飛ばないと遅れちゃうでしょｯｯ」
訳のわからない台詞を吐きつつ手に力を込め体を引く。
個人的に(ここ大事)顔がいい俺も真正面から風を受ければすべてが台無しだ。
だからね、移動中は目を閉じるの。
たまに障害物にぶつかるの。
こんな風にね！
「ぶへっいった…くないっすわ…すいませ…ん？」
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作者名：amea | 作成日時：2022年9月19日 23時
