インクが3滴 ページ3
随分と間伸びしたお願いだな。
人に物を頼むにしても態度っつーもんがあるだろ。
「やばwそれ名案w」
と、もう1人が興奮した様子で話しかける。
ちなみにこいつは話したことない1軍の陽キャだ。苦手。
「え〜？wばれたらやばくね？w」
げらげらと笑いながらやんわりと断る。
陽キャの波には逆らえないから諦めてくれねーかな。
「大丈夫だってwばれたら俺のせいにしていーよw」
ならべつに大丈夫か…(流された)
「おっしwじゃあノった！」
ぶわっとオレンジ色のインクが集まると髪がキラキラ光る。
手にはホップソナーがあった。
ホップソナー作り(笑)に集中していると扉が開いて般若の顔をした先生だ立っていた。
「あ」
これは言い逃れられない。
受験生だから早く帰れるはずだったのにぐちぐちと説教されて遅くなってしまった。
「悪かったって〜」
と怒られてもなおへらへらしている陽キャと別れて家に帰ろうとしているとぶよぶよしたドブみたいなのが男子に絡み付いていた(卑猥)
これは某ヘドロ事件なのでは。
いやヒーロー面してやろうか。
ぶわっと紫のインクが自分に集まると周りには小型のメガホンが浮かんでいた。
一斉にドブに射線が集まる。
あ、すっごい風圧。
ドブは遠くの方に飛んでいった。
「しょうねーん。大丈夫か〜？」
いやいるよねこういう博士っぽい喋り方するやつ。
結構好きよ。
「げほっごほっ」
あ、起きた。
噎せてるとき優しいやつなら背中さするよな。
「おーおー、ダメそうだなこりゃ。病院行くか。」
「だ、だいじょうぶっですっ」
少し辛そうに男子は答えた。
「そ、それよりっあなた…こせっげほっ」
うーん？聞き取れないぞ少年。
「え？なんだって？」
「あの…だからこせい…」
ああ…公共の場(笑)で個性って使っちゃダメなんだっけ…
ふーん…どう考えてもまずいよねぇ…。
「…少年…このことについては穏便に…」
「はぁ…」
しょうねん は こんらん している！
「んじゃまたいつかどこかで…」
言い切らないうちに全力で走る。
今なら自己ベスト更新できそうだ…と思い始めたあたりで家に着いた。
「おいおい…なんで体が軽いのか気づいちまったぜ…」
カ バ ン 忘 れ て き た
「終わった…ちょっとかっこよく言い残して去ろうと思ったのに…」
ぐるぐると玄関前で悩んでいると母が出てきた。
「Aあんた何変なことしてるの。はやく家に…」
言葉を止めた母はじーっと俺を見ている
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作者名：amea | 作成日時：2022年9月19日 23時
