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「ねえ純也くんいつまで寝てるの？」
気がつくとAが帰ってきていた。
いつの間にかほんとに寝ちゃってたわ。
ぼんやりする意識の中、Aを探す。
「起きれる？」
「むり」
ほらと、Aが手を差し伸べてくれるが、
その手を握るか迷う。
掴んだら帰らなきゃじゃん。
「純也くんベッド好きだね」
そう言って笑うけどベッドが好きなわけじゃない。
ただベッドの上にいるとAが、優しくて、
俺にだけに向けてくれる優しさが嬉しくて、
「ちょっと、純也くん」
俺はAの手を握り自分の方に引っ張った。
「俺のわがまま少しだけ聞いて」
そのまま俺の方に引きずり込み胸の方へと寄せた。
Aの甘い匂いが鼻をかすめる。
ベッドに残っていた匂いよりも、もっと鮮明で今自分の胸の中にいるんだと実感する。
「このまま朝まで一緒に寝てよ」
「仕方ないなー。特別ですよ純也くん」
はいはいと、
俺の背中に腕を回した。
「Aのこと好きかもね」
「そりゃどうも笑」
俺の精一杯の好きはAには届かずいつも鵜呑みにされて終わってしまう。
「じゃあ嫌いかも」
なんて言うと、
「それは嫌だよ。俺のことは好きでいて」
そう言って俺の頭を撫でた。
俺の好きは全然信じてくんないのに、
嫌いは信じるのは何？
いつも俺の気持ちはAに振り回される。
「純也くんもう寝ました？」
「起きてる起きてる」
さっき居眠りしていたためか、それとも、Aがこんなにも近いためか、全く眠たくない。
いや、眠れない。
「俺寝ますね」
「うん。」
ぎゅっと俺の胸へ顔をうずめた。
こうやって抱きついて寝れるのはAに俺の気持ちが無いから。
俺がAのことを好きなのは届いていないし、気づかれてもいない。
Aは俺の事を子ども扱いして、
男だと意識してくんない。
「A、」
いつもなら俺の方が先に寝てるからAの寝顔なんて見たことがなかった。
まつ毛が長くて、すっと通った鼻が可愛くて、
くっきりとした二重に、ちゅっとした唇。
全部俺のものにしたいのに。
あーあ。
好きすぎて諦め方がわからない。
「俺のものになってよA」
Aが寝ているのをいいことにおでこに俺の唇を当てた。
これで最後。
最後だから。
俺の気持ちは届かなくていいから。
俺の突然の一目惚れなんてどうでもいいから、
お願いだから幸せになって。
そうしたら俺の諦めがつくのだから。
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かんざき(プロフ) - さとうさん» そう言ってもらえて嬉しいです！ありがとうございます。奥さんに内緒でみんな恋愛させてます笑笑 (8月1日 23時) (
レス) id: 5412be5dc6 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 純也くんの奥さんがいるのに秘密な恋をしてる感じ…いい！ (8月1日 20時) (レス) @page16 id: 49f8a58ef1 (このIDを非表示/違反報告)
かんざき(プロフ) - 🫨🫨🫨さん» ほんとですかああ！！読み返して貰えてたなんて嬉しすぎます！！ちょうどキリが良かったのでここで完結したんですがまたいい話が思いつきましたら書かせてもらおうと考えています笑。このようなコメント本当に励みになります！！！ありがとうがございます！！！ (2023年4月23日 1時) (レス) id: 5412be5dc6 (このIDを非表示/違反報告)
🫨🫨🫨 - うわああああ！！良かったです！！ほんっとうに自分好みの小説すぎました、、、！暇さえあれば読み返しあさる、という行為を何度したことか、、、！！終わってしまうのは残念ですが、またこのような作品を作ってくれるよう期待しています！もっと見たい！！ (2023年4月22日 23時) (レス) @page23 id: b6179e7ee4 (このIDを非表示/違反報告)
かんざき(プロフ) - 🫨さん» コメントありがとうございます！そう言って頂きとても嬉しいです。更新喜んでもらうためにも頑張りたいと思います🫶🏻🫶🏻 (2023年4月2日 18時) (レス) id: 5412be5dc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんざき | 作成日時：2023年1月29日 19時
