恋敵(I.K) ページ34
2021年
久々に俺に勝ち目がないと思った。
「はじめまして」
高校生の頃も何度か滉くんに彼女は居たけどどれも俺にとってはピンと来ないイマイチな女の子ばっかり。
みんなサッカー選手だったら誰でもいいみたいな顔で下心丸出しだ。
毎回可愛い子ばっかり連れてくるし、柔らかく笑うその子たちは滉くんの隣が似合ってたから文句も言いずらかった。
――――
久しぶりに滉くんに呼ばれ家に行く。
お互いに試合が重なっていて長く会えてなかったので急なお呼ばれに胸が高鳴る。
滉くんが好きなシャンパンと少しのおつまみを持って家を出た。
「おじゃましまーす」
玄関を開けると知らない匂いがした。
甘ったるい香水の香り。
「ねえ滉くん俺以外に誰か呼んだのー？」
慣れない匂いと共に早々とリビングの方に足を運ぶ。
「お、来た来た」
俺が来るのを待っていたのかリビングから顔を出す滉くん。
「ちょっとAに紹介したい人がいてさ」
ザワザワと胸騒ぎがし先程からの嫌な予感が当たる。
日本人だろう女の子がひょこっと滉くんの後ろから顔を出した。
「こんにちは」
「どうも」
誰？どこの女よ？
そう滉くんに問いただしたかったけどやめた。
直感的に今その口から聞きたくなかった。
可愛らしい見た目で俺よりも見るからに年下っぽい。
「滉くんが家に女の子呼ぶのなんて珍しいじゃん」
2人だと思って来たのに、
俺の知らない子呼ぶとかなしでしょ。
だるい
テンション下がるー。
「はい、シャンパン持ってきたよ。」
「気効くじゃん。後で飲もうよ」
俺はその子に目もくれず喋り出す。
滉くんの後ろをくっついて離れない女の子。
絶対彼女だ。
紹介される前に気づくわこんなん！
女だ女。
滉くんが彼女を紹介してくるのは学生ぶりで久々に心臓がドクドクと脈打っているのを感じる。
好きな人の好きな人を紹介されることは何年経っても嫌なものだ。
「滉くん体調大丈夫？元気してた？」
「俺は全然平気よ？」
「そっかそっか。なら良かった」
はあ、
すぐに別れるさ。気にすることじゃない。
大丈夫大丈夫。
あーやっぱり大丈夫じゃない
だんだんと俺の顔が曇っていく。
→
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かんざき(プロフ) - かむかむさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです。リクエストご期待通りに仕上がるか分かりませんがちょっくら書いてみたいと思います！待っていてください (2023年1月27日 22時) (
レス) id: 5412be5dc6 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ - 雷雷､とっても面白かったです！リクエストが可能かは分かりませんが､こんな感じのお話を17番さんで見てみたいです！ (2023年1月27日 18時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんざき | 作成日時：2023年1月17日 17時
