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こっから立ち上がる力はもう俺にはない。
「ｺﾞﾎｯｯ」
やばい、ほんとに死んじゃうかも……
真冬のドイツの住宅街でサッカー選手が死ぬなんてシャレにもならない。
「大丈夫か……？」
遠くの方から耳馴染みのある言語が聞こえる。
だれ……
体に力が入らない。
やばい、動けない
「A!?おい大丈夫かよ！」
ぼやけた視界に入ってきたのは……
「麻也くん？」
そうだ。
俺、麻也くん家と近いんだっけな。
「分かるか？もう大丈夫だからな」
ふわっと体が浮く感覚がする。
うわ、麻也くん眩しい。
ぎゅっと目を瞑る。
神様みたいに光って見える麻也くん。
「すごい熱だな。」
俺、麻也くんの家の前に倒れてたんだな。
死ぬかと思ったのに助けが来るなんてラッキー。
さすが10番。
お姫様抱っこと呼んでいいのか分からないが麻也くんに担がれそのまま家の中に入る。
「酒臭い。相当飲んでるだろお前」
「好きで飲んだんじゃ……」
呆れられた笑いが上から降ってきて
否定しようかと思ったけどゴホゴホと咳で邪魔される。
「熱はかれるか？」
「無理、です」
おでこに機械を当てられピッと音が鳴る。
38.3
確かめられるように麻也くんのおでこを当てられる。
随分原始的な確かめ方だな。
ん、麻也くんの手冷たい……
「こりゃ、参ったな」
お手上げ状態の麻也くん。
久しぶりの高熱だ。
クラブが今週いっぱい休みで良かった。
「待ってろ。今なんか持ってくるから」
「すみません……」
大人しく寝てろと言われたので、
ソファーに横になる。
「死ぬなよ？」
「はい」
目を瞑ると麻也くんから釘を刺された。
多分そのぐらい酷い顔をしているのだろう。
あっ、
麻也くんの娘ちゃんと目が合う。
へなへなと手を振ってみる。
お手振りはかえって来ない。
目を凝らしてみると、ただの人形に手を振っていたらしい。
重症だ。
頭グラグラする。
風邪に加えて二日酔いまで患っている。
体がだるくてぐったりとソファーに沈む。
「ほんとに死んでいるのかと思って焦ったー」
慌てた様子でこちらに向かってくる麻也くん。
寒い？と
ブランケットをかけられる。
麻也くんの匂いがする。
「お前のストーリー見た」
「何がですか？」
昨日はストーリーなんてあげていない。
これこれと見せてくれる麻也くん。
「うわ、」
クラブのみんなからキスをしまくられているストーリーが俺のアカウントで上がっていた。
俺上裸だし……。
→
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かんざき(プロフ) - かむかむさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです。リクエストご期待通りに仕上がるか分かりませんがちょっくら書いてみたいと思います！待っていてください (2023年1月27日 22時) (
レス) id: 5412be5dc6 (このIDを非表示/違反報告)
かむかむ - 雷雷､とっても面白かったです！リクエストが可能かは分かりませんが､こんな感じのお話を17番さんで見てみたいです！ (2023年1月27日 18時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんざき | 作成日時：2023年1月17日 17時
